これに伴い、西成のランドマーク的存在でもある「あいりん労働福祉センター」の建て替えが計画されているが、現地へ足を運んでみると、どうもこのリゾート化や近代化は歓迎ムードではないようだ。
労働福祉センター周辺では抗議の垂れ幕が掲げられる
センター移転に反対する掛け看板
ちなみに「あいりん労働福祉センター」では、職業の斡旋は2016年4月までの約41年間も行われておらず、食堂やシャワールームに憩いの場が設けられ、その日の日雇い業務にあぶれた会員らに補填が行われるなど、性質が他の職安とは大きく異なる。
労働福祉センターの地下には、シャワールームが設置されている
この「あいりん労働福祉センター」は老朽化のため、建て替えもしくは大規模な予算を割いての耐震補強が必要な状況で、建て替え期間中は近隣に代替施設を設けることなどが自治体より説明されているのだが、西成住民側は猛烈な反発をみせている。
その説明会でのやりとりは「センターの未来を提案する5.13行動 報告書」として希望者に配られており、以下のような言葉が確認できる。
「もったいない」
「このままのセンターが良い。皆が入れる。」
「こんなえーとこはない!」
「星野リゾートはいらん」
「センターの未来を提案する5.13行動 報告書」に記された、説明会でのやり取り
やはり並んでいる言葉には、変化を嫌う姿勢が鮮明に打ち出されている。
国家や資本による権力ありきの決定や計画は受け入れない反面、犯罪者や前科を持つもの、様々な理由で社会から虐げられているものには寛容な姿勢を打ち出す西成住民。
そんな彼らが近年、大規模な受け入れ拒否を打ち出したのは、麻原彰晃元死刑囚の教えを貫く教団「アレフ」の受け入れのみ。
星野リゾートの西成リゾート化計画も、これに次いで強い反発を受ける可能性が高い。果たして、成功どころか、着工に漕ぎ着けることが出来るのだろうか。
【ニポポ(from トンガリキッズ)】
2005年、トンガリキッズのメンバーとしてスーパーマリオブラザーズ楽曲をフィーチャーした「B-dash!」のスマッシュヒットで40万枚以上のセールスとプラチナディスクを受賞。また、北朝鮮やカルト教団施設などの潜入ルポ、昭和グッズ、珍品コレクションを披露するイベント、週刊誌やWeb媒体での執筆活動、動画配信でも精力的に活動中。
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