不祥事銘柄で億り人になった投資家が教える、リバウンドで確実に利益を出すコツ

 今年に入ってからも、シェアハウス「かぼちゃの馬車」への不正融資疑惑が浮上したスルガ銀行(東1・8358)でもキッチリ利益をゲット。吉良氏はエントリー判断に、ボリンジャーバンドやRSIなどテクニカル指標を使うという。
リバウンドを狙い撃ちしたスルガ銀行

【リバウンドを狙い撃ちしたスルガ銀行】4月下旬に過剰融資報道で株価は急落。年初来安値をつけたことで絶好のリバウンドタイミングと判断。約1250円でエントリーし1400円台に戻ったところで利確。約100万円の利益に。(’18年2~6月/日足チャート)

「スルガ銀行はシェアハウス以外に、4月にも中古マンションへの過剰融資疑惑で株価が急落し、年初来安値をつけていました。ボリンジャーバンドではマイナス3σにタッチし、RSIも20%近く。指標的には十分売られすぎと判断できる水準でした。もう一段の下げがあれば買い増すことも考えていましたが、その後に反発したので売却。結局、100万円程度の利益になりましたね」  ちなみに、スルガ銀行は同行の第三者委員会による調査の末、不正融資が1兆円規模にのぼっていることが判明。これから手を出すにはさすがに危険すぎる銘柄だろう。  そのうえで現在狙っているのは、サブリース問題や施工不備の修繕問題に揺れるレオパレス21(東1・8848)と、リニア中央新幹線の談合が発覚したスーパーゼネコンだという。「レオパレス21はボリンジャーバンドやRSIで売られすぎのサインが出ています。スーパーゼネコンについては、大成建設(東1・1801)は株価急落の幅が大きく、下げ止まりを確認したらリバウンドが狙いやすい。また、大林組(東1・1802)や清水建設(東1・1803)も長期のサポートライン近辺まで株価が下げてきており、そろそろ打診買いを入れていい頃かもしれません」  ちなみに、前出の藤本氏は、近年の不祥事銘柄の中には、より大きなチャンスを狙えるものが紛れ込んでいるという。 「傾向としては、不祥事と呼べるのかというレベルのものまで不祥事扱いされている印象です。以前は、昔からの『慣習』や『企業文化』ということで見逃されていた案件も現在では表沙汰となっているため、発覚件数が急増しているのではないでしょうか。SNSの普及によって個人が情報発信力を持つようになったのも不祥事急増の一因になっていると思います」  本来はそのレベルではないものまで過剰反応で株価が下落する。おのずとリバウンド狙いの投資対象も増えると言えそうだ。 《吉良氏が狙う2銘柄》 ※株価は8月15日の終値 1 レオパレス21(東証1部・8848) 株価/555円 「レオパレス」ブランドのアパートを全国に展開。以前からサブリース問題が取り沙汰されていたが、今年5月には施工不備問題も浮上。ただ、本業のビジネスモデルが崩壊するレベルではなく、まだ「事件は売り」レベルではない。まずは少額エントリーから 2 大成建設(東証1部・1801) 株価/5,110円 スーパーゼネコンの一角。リニア中央新幹線の談合発覚に加えて、業績の悪化懸念も浮上し株価が急落。スーパーゼネコンの中でも急落の幅が大きいため、下げ止まり後のリバウンドを狙いやすいのがポイント。他のスーパーゼネコンも併せて要チェック 【藤本誠之氏】 マーケットアナリスト。財産ネット企業調査部長。日興証券(現SMBC日興証券)や複数のネット証券などを経て現職。情報サイト「オールアバウト」で株式ガイドを担当 【吉良吉影氏】 公務員トレーダー。公務員として働く傍ら’05年に株式投資を開始。スイング~中期逆張りを中心に’09年には資産1億円を突破。その後も資産を拡大 取材・文/新井奈央 図版/ミューズグラフィック 写真/時事通信
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