沖縄の選挙になるとわく左右両陣営の「オリエンタリズム」について

 沖縄はこれから政治の季節を迎える。知事選の投開票は9月30日とのことだから、選挙戦の期間は9月20日投開票と予定される自民党総裁選挙の選挙期間と大幅に重なることとなる。これまでも沖縄知事選挙は、日米関係の本質とはなにか、日本の人権状況はいかに劣悪か、日本の安全保障議論はいかに場当たり的かという諸問題を浮き彫りにしてきた。今回はその選挙戦が、実質的に我が国の首相を決める選挙と同時並行で展開するのだ。相互の選挙戦が輻輳しいつも以上に白熱することは必至だろう。  いやがうえにも熱を帯びることが自明な選挙戦を前にして、いま一度、翁長氏が残した「魂の飢餓感」という言葉を噛み締めたい。沖縄の外に住む私のような人間が、沖縄と向き合うとき、饒舌さは不要だろう。ただひたすら黙して耳を傾ける……。私には、飢餓感を癒やす方法としてそれ以外、思い浮かぶ方法はない。 【菅野完】 1974年、奈良県生まれ。サラリーマンのかたわら、執筆活動を開始。2015年に退職し、「ハーバービジネスオンライン」にて日本会議の淵源を探る「草の根保守の蠢動」を連載。同連載をまとめた『日本会議の研究』(扶桑社新書)が第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞を受賞。最近、どこよりも早く森友問題の情報を提供するメルマガが話題(https://sugano.shop/) ― なんでこんなにアホなのか ―
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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