“全面テレビ公開で、公開リンチのよう”牧原秀樹 厚生労働副大臣(自由民主党)――3月1日 自民党部会にて
こう述べた牧原氏は後に発言を撤回したが、今国会において、最も注目されたポイントの一つは、野党が行う野党合同・公開ヒアリングだろう。
もともとヒアリング自体は与野党問わず行っており、野党側はマスコミフルオープンで行っていることも多かったが、加計学園問題や森友学園問題(にまつわる財務省の不正)という、国民・マスコミからの関心も高く、注目された。
野党合同ヒアリングの中で、
チェックマークのある資料とない資料の存在が明らかになるなど、一定の成果があったと言えるだろう。(参照:
「公開リンチのよう」牧原副大臣が野党を批判、のち撤回:朝日新聞)
働き方改革問題では、
渡邉美樹参院議員の発言も問題となった。
渡邉議員は、過労死遺族を前にこう述べた。
“お話を聞いていると、週休七日が人間にとって幸せなのかと聞こえる”渡邉美樹 参議院議員(自由民主党)――3月13日 参議院予算委員会公聴会 過労死遺族に対して
私個人の感想としては、
過労死遺族の公聴会で渡邉氏を質問に立たせるほうがどうかしていると思う。
“実態を反映したものとは確認できなかった”加藤勝信 厚生労働大臣(自由民主党)――3月23日 厚生労働委員会
今国会の目玉法案の一つである裁量労働制の拡大を撤回したことは、与党にとっては大きな痛手となった。
裁量労働制の立法事実に関わるデータに
致命的な不備が見つかり、撤回に追い込まれたのだ。
しかしながら、高度プロフェッショナル制度を盛り込んだ働き方改革法案は、似たようなデータの不備にも関わらず、後に法案が提出されることになる。
さて、公開ヒアリングでのらりくらりと交わし続ける中、朝日新聞がスクープを出した。森友学園関連文書の改ざん(書き換え)疑惑である。(参照:
森友文書、財務省が書き換えか 「特例」など文言消える:朝日新聞)
当時は、「これが本当であれば内閣総辞職は当然として、財務省解体まで視野に入るのではないか」と思われた大スキャンダルだった。
しかし、財務省トップである麻生財務大臣や、官邸の対応は、異様なほど鈍かった。
“どの組織だって改ざんはありえる話だ。会社だってどこだって、ああいうことをやろうと思えば個人の問題でしょうから”麻生太郎財務大臣(自由民主党)――5月8日 記者団に対して(参照:
NHK政治マガジン)
“少し言葉を書き換えた程度の話だ。大したことはない”首相官邸幹部(参照:
森友文書改ざん疑惑 政府防戦 財務省「6日説明」:毎日新聞)
また、一部議員が報道の信憑性について疑問を投げかけていたことも記憶に新しい。
“朝日新聞さん、指摘する文書の件、まさかとは思いますが全く別の決裁文書の調書を比較し、文言が変わっていると指摘ということはないでしょうか?「売買契約の決裁文書」とは全く別の文書の「予定価格の決定の決裁文書」の調書と比較すると、朝日の指摘とほぼ合致するのですが”(※和田政宗議員のTwitter)
いずれにせよ、本件についての信憑性は後に明らかになることになる。
安倍総理は
11日に知ったと答弁していたものの、後に
5日の段階で把握していたことが明らかになっている。(参照:
改ざんの可能性、事前把握認める 菅氏「首相も承知」:朝日新聞)