パパ活女子のファッションは、中年男性の理想を具現化した虚像<現役愛人が説く経済学47>

パパ活ファッションの特徴

【パパ活ファッションの特徴】

水商売の影はないほうがいい

 図では、タテ軸を「素人っぽさ」「プロっぽさ」、ヨコ軸に「美人」「可愛い」としています。タテ軸の「素人っぽさ」とは、一言でいいますと「水商売の影があるか否か」です(ここでいう水商売とは、いわゆるホステスやキャバ嬢、ラウンジ嬢を指し、風俗嬢は含みません)。  このお水らしさがあればあるほど、図では下の方に位置することになります。   ヨコ軸の「美人」「可愛い」は、パッと見の印象が「可愛らしい、女のコっぽい」か、それとも「大人っぽい」と思われるかです。  たとえば、図の左下に位置する「リッチカジュアル系」は、美人度が高くプロっぽさが色濃く漂うファッション。ホステスさんやキャバ嬢が同伴へ行くような格好です。全体的にモノトーンでシンプルなのですが、よく見ると流行のシルエットを取り入れていたり、バッグや靴などの小物がさりげなくエルメスやシャネル、ジミーチュウやルブタンなどのハイブランドだったりします。
リッチカジュアル系

リッチカジュアル系

 リッチだけれど、カジュアルな印象。都会のホステスは、周りがお金持ちで遊び慣れた男女ばかりですから、ファッションセンスも洗練されていくのですね。  ワイドパンツやゆったりしたトップスなど、くずした印象のアイテムも、上半身をぴたっとしたノースリーブにしたりハイヒールを合わせたりして、ドレスアップさせています。あえてのカジュアルファッション(でも小物はハイブランド)という合わせ方が目立ちますね。遊び慣れた大人の女性ですが、いかにも「カネがかかりそうな女」との印象も与えます。  これと対極に位置するのが「パパ活女子」ファッションです。「素人」っぽく、美人というよりは可愛い格好。全体的にガーリーで、パステルカラーやフリルなど可愛らしい印象のアイテムが中心です。ショートパンツやミニスカートなど、足を露出したアイテムも多いですね。
典型的なパパ活用ファッションの一例

典型的なパパ活用ファッションの一例

 色使いでいいますとモノトーンはあまり好まれず、黒や白を用いるとしても水玉やギンガムチェックといった甘めの柄が多くなります。バッグは派手なブランド物を持っていると男性が引いてしまうため、マイケルコースやジルバイジルスチュアート、フルラなど、3~4万円までのハンドバッグを持っている女性が多いようです。  一部、パパ活歴の長い女性の中には、服装だけガーリーなのにバッグだけセリーヌやクロエ、ミュウミュウなど数十万円するものを持っているケースもありますが、彼女たちが好むのは一様に「可愛らしいデザイン」。エルメスやフェンディのような、直線的でかっちりした形はあまり選ばれません。
マニッシュ系

同じく素人っぽくても、オヤジ受けはよくないのがマニッシュ系

 パパ活女子は、より幼く見られることを意識しています。それはパパ活をする男性の多くが、女性にあどけない魅力や癒やしを求めているからに他なりません。「カネがかかりそうな大人のオンナ」とか、「夜の仕事をしていそうなオンナ」だと思われてしまうと、男性は自分があえてお金を出す意味を見出せないのです。  特に交際クラブには、キャバ嬢やホステスと遊ぶのに飽きて、素人に癒やしを求める男性が多く集まりますから、女性側もわざと素人っぽくしていた方がいいのです。交際クラブでは、水商売の女性に登録を禁じているところもあります。  需要のあるところに供給は生まれますから、パパ活男性の思惑を読んだ若い女性が、似たり寄ったりのファッションをするのは当然ですね。さて私はといいますと、もうアラサーですから、可愛らしい格好は遠慮して、地味な服装ばかりしています。  交際クラブに登録しておりましたので、「お前もパパ活女子じゃないか」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、外見を含め様々な性質を考えますと、私のような者は少数派なのですよ。自分とは対照的で可愛らしいパパ活女子の皆さんを、目を細くして眺めているところです。 <文・東條才子/イラスト・ぷちめい>
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