「ハイパーインフレは若者にとってそう悪くない」藤沢数希氏

12月5日には一時1ドル=121円を超え、円安が加速した。もしさらに円安が進展し、急激なインフレ、あるいはハイパーインフレが起こったらどうなるのか。実は資産を持たない人にとっては、財政破綻も案外悪い話じゃない?

1000兆円を超える日本国政府の借金はいったい誰が返すのか?財政破綻も悪くない!?【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)

⇒【前編】はコチラ  では、インフレが起こるとどうなるだろうか? 今度は、借金を返すのは労働者ではなく、金持ちの高齢者ということになる。月給30万円の人が100万円の借金を返すのは大変だが、10倍のインフレが起こり、月給が300万円になれば、100万円の借金は簡単に返せる。インフレが起こると政府の借金は軽くなるのだ。  しかし、同時にお金の価値も吹き飛ぶにことになる。つまり、ハイパーインフレでは、お金持ちの財産がなくなるという形で、政府の借金が払われるのだ。“インフレ税”だ。  日本のような大国の通貨の信用がなくなれば金融危機が起こり、社会は大混乱に陥るだろう。しかし、金持ちの財産が吹き飛ぶことにより、若者たちが重税を免れることができるかもしれないのだ。  ハイパーインフレは、持てる者と持たざる者の財産を強制的にリセットする。何も持たない若者にとって、日本の財政破綻は希望なのかもしれない。 【今週の数字】 ’15年3月末の国の借金 1144兆円 財務省の発表によると’14年9月末時点での国の借金は約1039兆円。’15年3月末には約1144兆円に達する見込み。国民1人当たり約900万円だ 【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」管理人。恋愛工学メルマガも発行する。cakesでは恋愛小説も連載中
外資系金融の終わり

それでも明るい金融の未来