沖縄県知事選、最期まで沖縄を守るために生きた翁長知事の遺志を継ぐ戦いの行方
2018.08.18
沖縄は今から73年前に壮絶な地上戦の末、アメリカ軍に占領されました。
あの時も沖縄では「皇国日本を守るために戦うことが正義」とされ、それこそ誰もが知る「ひめゆりの塔」のような悲劇が、沖縄のあちこちで起こったのです。
「ひめゆりの塔」とは、15歳から19歳の沖縄師範学校女子部と沖縄県第一高等女学校の女子学生たちが召集され、ほとんど機能を失った沖縄陸軍病院で負傷する日本兵たちの救護に尽力したものの、戦況が悪化の一途を辿り、地下壕で潜むことになったのですが、あまりに絶望的な戦況となり、彼女たちが突然、上官から「解散」を命じられた悲劇です。今さら「解散」と言われても、地下壕から出ることは「死」を意味します。地下壕に残っても死を待つだけなので、小さなグループを作って地下壕を出ることになったのですが、多くの女子学生たちが逃げようとするも砲弾やガス弾を受け、命を落とすことになりました。ひめゆり平和祈念資料館には女子学生222名が当時、どんな女の子たちだったのかが書かれており、テニスが好きだったり、オルガンを練習していたり、ごくごく普通の女子学生らしい女の子たちだったことがよくわかります。
忘れてはいけないのは、こうした沖縄で起こった数々の悲劇は「日本を守るため」と言われた末に起こったことであるということです。
いまや自民党議員の多くが「日本会議」や「神道政治連盟」などの大日本帝国復活に憧れるカルト団体に籍を置き、ネトウヨをこじらせている安倍晋三総理になってからは、同じ思想を持った人だけが出世するようになってしまったため、ますますネトウヨが幅を利かせるようになり、「日本が攻撃されたらどうするんだ。日本を守るためには自衛隊を軍隊として認め、時として先制攻撃も認めるべきである」と言うようになりました。
今から73年前の沖縄と同じ話を繰り返しているのですが、実は、文明が進化した現在の日本の防衛システムは73年前より圧倒的に「茶番」です。なんてったって、日本をぶっ壊そうと思ったら、大きな戦艦も、最新鋭の戦闘機も、頑丈な戦車も必要ないからです。必要なのはお手軽なロケットランチャーのみ。こいつをたったの1発、原子力発電所にぶちこんでやれば、一瞬にして日本を人が住めない土地にできるのです。数千億円かけて建設するイージス・アショア、こんなの「ゴミ」です。
残念ながら、日本は原子力発電所なんてものを重宝して全国に建ててしまった時点で「平和」を前提にしているため、どれだけ勇ましいことを言っても茶番でしかありません。もちろん、いくら「戦争」だと言っても一応のルールがあり、民間人を殺してはいけなかったり、原子力発電所を狙ってはいけなかったりするのですが、今どき「民間人を殺してはいけない」なんてルールが守られた試しは一度もないので、戦争とは「ノールールの殴り合い」です。
それを踏まえた上で、「日本を守る」とか言っているオジサンたちの顔を見てください。「日本を守るために基地を作る」と言いながら、一方では原子力発電を日本のベースロード電源に位置付けると言っているのです。小学生でも想定できる原発への攻撃は「想定外」。辺野古基地が完成したところで、普天間基地を返還してもらえる約束ができているわけではないのに、約束してもらえていない段階から基地を作り、珊瑚の海に土砂を投入して、取り返しのつかないことをしようとしている。これでは基地を減らすどころか増やしてしまう可能性が高い。翁長雄志知事が命懸けで何を守ろうとしていたのか。皆さんもわかるはずです。
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