ベネズエラのウゴ・チャベスは発表された死亡日の2か月前には死亡していた!? 南米系メディアで持ち上がる疑惑

大統領になるはずだったカペーリョ

 チャベスが亡くなる少し前に、彼は意外にもマドゥロを暫定的に後継者に任命した。しかし、それは飽くまで暫定であって、正式ではない。当初、誰もがチャベスの後継者はカベーリョだと予想していたからである。  憲法に照らし合わせた場合は指導者が病死で、しかも公式に後継者として承認されていない段階では、国民議会の議長が暫定的に大統領に就任することになっている。即ち、カベーリョが大統領に任命されるべきだったのである。(参照:「ABC」)  また、カベーリョはかつてオルテガに「次期大統領になる予定だったが、どうなったのか私にもわからない(が大統領になれなかった)」と語り、しかし、「この12月には大統領候補になる」とオルテガに伝えたという。ところが、マドゥロは今年5月に前倒しの大統領選挙を実施して大統領に再選されたのである。カベーリョの大統領への道はまた塞がれたことになる。(参照:「ABC」)  マドゥロは見かけによらず、今では相当にずる賢い人物だと周囲から見られるようになっているという。  カベーリョは現在も議会で強い影響力を持っており、マドゥロも彼を尊重しているという。しかし、チャベスが実際に亡くなったとされている日から公式に死亡したと発表される間の10週間で、マドゥロは地固めをしてカベーリョが大統領になる道を閉ざして彼自身が正式に大統領になるための工作をしたのであろうか。  真実が明らかになる日は来るのであろうか。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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