退職後に株投資で500万大損した元日経記者がプラスに転じた理由は「日経225銘柄」へのこだわり

日経平均225銘柄から選んで、確実な運用を目指す

225銘柄

「日経平均225」の業種と企業数

 そこで次に着目するのが「日経平均225」です。  東証1部の株価動向を知る代表的な指標として日経平均株価とトピックス(TOPIX)の2つがあります。日経平均株価(以下、日経平均)は日本経済新聞社が第1部に上場している有望銘柄の中から特別に選んだ225銘柄の平均株価指数です。トヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニック、キャノン、ANA、キリン、三菱UFJなどのメガバンクなど、日本を代表する優良企業がずらりと名を連ねています。  日経平均225銘柄のうち、最も多いのが電気機器で28社、次いで化学工業、機械が16社、非鉄金属・金属製品12社、自動車・自動車部品10社など製造業が目立ちますが、銀行、サービス業11社など第3次産業部門も網羅されています。  日経平均は必ずしも1部上場銘柄すべての株価変動を反映しているわけではありません。ファーストリテイリング、ファナック、ソフトバンク、日電産などのように、値がさ株(株価が高い株)の変動が日経平均に大きな影響を与えることがしばしば起こります。  また毎年、時代の変化に合わなくなった銘柄が外され、時代に適合した銘柄が組み込まれるなど銘柄の一部が入れ替わります、日常の株取引に当たっては、日経平均の動向が大きな影響力を持っているのです。  一方、トピックスは東証株価指数をアルファベット(TOPIX)で表記したものです。具体的には東証1部上場銘柄時価総額を東証1部銘柄数で割った数値を指数化しています。1銘柄の株価が上がると、その銘柄の時価総額が上がり、トピックスの上昇につながります。このため、トピックスの長期的な上昇は景気回復を確認する一つの有力な判断指標として重要です。

日経平均225銘柄から約20銘柄を選び、短期間に売買して利益を得る

日経平均225のチャート (002)

日経平均225の株価推移(松井証券のネット株取引画面より)

 石橋攻略では、日経平均を構成する225銘柄の中から選びます。225銘柄の多くは、経営が安定していて、日経平均と連動して動く傾向が見られます。株価も安定していて、景気上昇局面では着実に上昇します。予期せぬ不祥事などが起こらない限り、暴落するリスクも限られています。  大儲けは期待できませんが、大損の危険性はほとんどありません。1年間の株価変動を十分に理解し、安値で買って高値で売れば、1年を通してみると投資額の1割程度の利益が期待できます。石橋攻略では常時約20銘柄を選び出し、それらの銘柄を繰り返し短期間に売買することで、売却益が得られるように運用することを目的にしています。 ◆石橋叩きのネット株投資術第8回 <文/三橋規宏> みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、『ゼミナール日本経済入門』(同)、『環境経済入門』(日経文庫)、『環境再生と日本経済』(岩波新書)、『サッチャリズム』(中央公論社)、『サステナビリティ経営』(講談社)など。
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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