週末の小旅行でも力を発揮。青春18きっぷが便利すぎる

 名前はよく耳にするが、なかなか実際には使う機会が少ない青春18きっぷ。詳しい使い方や条件はJR各社のホームページなどを見てもらいたいが、簡単に説明すると1万1850円でJR在来線の普通列車に5日(もしくは5回)乗り放題というお得なきっぷ(1日あたり2370円!)だ。多くの鉄道ファンが、猛烈な暑さにも負けじと18きっぷの旅の計画を立てていることだろう。

ふらっと小旅行をするのにもオトク

_MG_9179

遠く離れた地方への1日がかりの長旅だけでなく、日帰りで自由に乗り降りしながら、ちょっと離れた街を楽しめるのが青春18きっぷの便利なところ

 しかし、この青春18きっぷ、鉄道ファンにとっては実に馴染み深いものであっても、一般の人にとっては少し敷居が高くなっているのではないだろうか。「18きっぷ? ああ、鉄道マニアの使うやつね」なんて感想を聞くこともしばしばである。  たしかに、ネットを見てみれば「18きっぷは時刻表も読めないようなシロウトが使うものじゃない」「朝から晩まで1日中列車に乗り続けても苦痛じゃない人が使うもの」といった厳しい意見が散見される。  本当に朝から晩まで乗り続ければ、東京から1日で九州の小倉まで行くこともできるし、“乗り倒している”鉄道ファンも多いだろう。「静岡がツラい」「山口も侮れない」といった“18きっぷあるある”もこの季節にはよく見かけるネタである。  しかし、本当に18きっぷは修行さながらの長距離移動にしか向いていないのだろうか? 旅行好きだが鉄道への興味はさほどないという30代の女性は次のように話す。 「18きっぷ、よく使いますよ。気が向いたときに特に計画もたてずにどこか行けるじゃないですか。それが好きで、友達と一緒に使うこともあります。もちろん小倉なんて行かないし、紙の時刻表なんて買ったこともありませんけどね(笑)」  近年、鉄道各社は週末のちょっとした旅行を強く推し出しているが、地方をまたいだ長旅でなく、小旅行にも18きっぷは使い勝手がいいようだ。鉄道ライターの境正雄氏は次のように語る。 「一部のコアユーザーの声を鵜呑みにしちゃダメですよ。もちろん1日でできるだけ長く移動すればお得度は増します。でも、2370円なんてちょっと遠くまで足を伸ばせばすぐに元を取れる。よほどマニアックな旅をするわけでもなければ、時刻表も必要ないと思いますよ」  そう、この言葉どおり、18きっぷはマニア向けでも何でもなく、もっと気軽につかえるきっぷなのだ。その使い方の一端を簡単に紹介しよう。
次のページ 
便利な青春18きっぷの注意点
1
2