ここまではペレス会長も黙認していたものの、とある別の出来事が起きて、ペレス会長の逆鱗に触れることとなった。
それは2017-2018のUEFAチャンピオンズリーグで優勝を果たし3シーズン連続してチャンピオンとなったお目出たい時に、決勝戦が行われたグランドでのテレビ「アンテナ3」のインタビューに答えた内容であった。
その中でロナウドは、レアル・マドリードのプロジェクトにこれからも選手として参加することに疑問を投げかけるかのように「レアル・マドリードに在籍することは素晴らしいことだった。近くファンに伝えたいことがある」と述べたのである。それまでもロナウドが移籍するのではないかという噂もあったことから、この発言でそれが再燃したのであった。
勝利した直ぐ後にその様な発言をしたロナウドにペレス会長は非常に立腹してレアルマドリードの方からは彼を引き留めることは一切しないと内心決めたという。その瞬間から同会長にはロナウドが来期もレアル・マドリードでプレーすることは難しいと考えるようになったのである。(参照:「
antena3」)
ロナウドの代理人であるホルヘ・メンデスは彼の為に新たな移籍チームを探していたが、具体的に反応して来たのはユベントスだけであった。ユベントスはイタリアの名門チームでセリエAでは何度も優勝を果たしているが、UEFAチャンピオンズリーグでは1995-1996年以来タイトルから遠ざかっている。ロナウドの獲得もそれを制覇することを狙ったものである。
ロナウドの契約解除金は世界で最高額の10億ユーロ(1300億円)であるが、このような高額金を払えるクラブはヨーロッパではどこにもいない。また、ロナウドは中国でプレーすることは望んでいないという。結局、ユベントスが1億1200万ユーロ(145億円)の移籍料を支払うことでレアル・マドリードと合意した。これには、ロナウドの移籍したいという意思を尊重して契約解除金と比較して少額の移籍料ではあるがレアル・マドリードは了解したという。
しかし、今回移籍先のユベントスでの年俸はレアル・マドリードがロナウドの希望に添えるように来期から提示していた手取り年俸3000万ユーロ(39億円)と同額なのである。(参照:「
Goal」)
同額でもレアル・マドリードを去ることを決めたのは彼がクラブに宛てた手紙の中で、「私は充分に熟考した。そして分かったことは、新しいサイクルの時が到来したということだ」と述べているように、新しい環境でのプレーの必要性を感じていたようである。(参照:「
sport」)