種子法廃止に対抗するため、国政とはねじれながらも“オール新潟”で進められる「条例制定」

国政では種子法廃止も、県議会では種子法廃止への対抗措置に賛成の自民党議員

保管所

農業総合研究所の保管所には、今までと変わらず種子が山積みされている

 県知事選で米山氏を支援した野党は新潟県議会では少数与党で、国政与党の自民党が県議会第一党だった。しかし、種子法に代わる条例制定に対しては自民党県議も賛成の立場を取った。 「条例の説明をすると、米山県政の与野党双方とも賛成、了承していただきました。自民党県議の先生からも『しっかりとやってくれ』と言われました。与野党激突の構図と報道された県知事選でも、種子法の条例が争点となることはなく、花角英世・新知事からも『条例を見直すように』といった指示はありません」(農業園芸課)  国政では種子法廃止に賛成した自民党だが、新潟県議会では種子法に代わる条例制定に反対することはなく、まさにこの部分では“オール新潟”で進められている。種子法廃止を決めた自民党国会議員と、地方議員(県議)との間で捩れがあるともいえるのだ。  国が農業の屋台骨ともいえる種子法を廃止したので、地域住民を守る最後の“防波堤役”として地方自治体が種子生産供給の役割を担っていく。地方自治のお手本のような条例制定だが、日本の農業を守る貴重な取り組みとして全国に広がる可能性がありそうだ。 <取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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