米ウォルマートが西友を売却か? 果たして西友の将来は?
Bloombergがウォルマート側が売却する方針を決めたとの報道を否定したと報じ、現段階ではどちらに傾くのかは未定だが、北は北海道から南は熊本まで、全国に300店舗以上を展開する西友。果たしてその将来はいかに――。
さて、ここで西友の歴史についておさらいしよう。
西友は1956年に西武鉄道傘下の「西武ストアー」として営業を開始。現在の西友は1963年に「西友ストアー」として設立されたものである。その後は西武セゾングループの成長と共に全国へと店舗網を拡大した。
また、1973年にはファミリーマート、1980年には無印良品を開発。両社は西武セゾングループの成長とともに独立している。
バブル期崩壊後、西友は傘下のノンバンク「東京シティファイナンス」が多額の不良債権を抱えることになり、これはのちに西武セゾングループの崩壊の一因となった。
2000年には中堅スーパー「サミット」を運営する住友商事(東京都中央区)と業務資本提携を締結。食品スーパーの出店を拡大するとともに、2001年には百貨店・岩田屋(福岡市中央区)傘下のスーパー「サニー」を買収、九州内の店舗を大幅に増やした。それらは現在も多くがサニーの屋号で運営されている。
大きな転機が訪れたのは2002年のこと。住友商事の仲介により米国の大手ディスカウントスーパー「ウォルマート」が西友の株式を6パーセント取得、2008年には同社の完全子会社となった。
それ以降は大幅なリストラ策が採られるとともにウォルマート流の経営改革が実施され、米国産プライベートブランド「グレートバリュー」の導入、スーパーセンターの出店、折り込み広告の廃止とEDLPへの取り組み、テナントの直営化などを行ったものの経営が悪化。近年は広告を復活させたほか個性的な宣伝戦略を展開、2013年からは西友主導のプライベートブランド「みなさまのお墨付き」を導入、一部店舗では直営売場を減らしてテナントゾーンを拡大するなど、再び「日本流」の経営へと軌道修正されつつあった。
2018年7月現在の店舗数は、北海道から熊本まで全国335店舗。2018年に入って以降は、旗艦店級の大型店であった「リヴィン姫路店」(姫路市)、「ザ・モール周南店」(下松市)、「佐賀店」(佐賀市)の3店舗を閉店しており、そのうち前者2店舗は西日本を地盤とする大手総合スーパー「イズミ」が継承する予定となっている。
「ウォルマートが西友を売却する検討に入った」――7月12日に入ってきたこのニュースに驚いた人も多いであろう。
西友のヘビーユーザーであれば尚更だ。西友では6月に制服が一新され、ウォルマートと一緒のものになったばかり。ウォルマート色を強めて新たなスタートを切った矢先だったのだ。
その後、13日には
西武セゾングループから住友商事、そしてウォルマートへ
※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中
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