photo by Daniel Lobo via flickr(CC BY 2.0)
イタリアのOTB(Only The Brave)グループのブランド「Diesel(ディーゼル)」のジーンズ「Skinzee-SP」と「Marni(マルニ)」のサンダル「Fussbett」がZARAに模写されたとして、OTBがイタリアのミラノの裁判所に提訴していた事件は、今月OTBが勝訴するという結論に至った。
そもそもこの事件の発端は2015年に遡る。
Diesel、Viktor & Rolf、Marni、Maison Margueielaのブランドを所有するOTBグループが、同年11月にZARAを相手取ってOTBのブランド商品が模写されて、欧州連合(EU)で認められている知的所有権が侵害されたとしてミラノの裁判所に訴訟を起こしたことに始まる。(参照:「
TRENDENCIAS」)
それが上述したジーンズ「Skinzee-SP」とサンダル「Fussbett」のことである。すなわち、この2商品が、ZARAに模写されたことによってOTBの販売を侵害して経済的に重大な被害を及ぼしたというのである。
それに対してZARAは原告がジーンズの訴訟を起こすほどには問題の商品はオリジナリティに乏しいと反論し、サンダルについてはデザイン及び材質においてかなりの違いがあると指摘していた。
しかし、判決はOTBの訴えを認め、ZARAは提訴された商品を市場から撤退させることが要求されることとなった。しかも損害を被ったとされている商品の各一個分について235ドル(約25400円)の賠償金の支払いが義務づけられた。
いずれにせよ、今後ZARAを含めグループ企業インディテックス(INDITEX)はデザインの開発により慎重に臨まねばならないことが義務づけられたことになる。
かねてから囁かれていた零細アパレルを狙うパクリ戦略
これまでもインディテックスは模写を頻繁に行って来たことは良く知られたことで、特に、零細規模で事業を展開しているデザイナーの商品を模写する傾向が強かった。
零細規模であるから、模写されてもインディテックスを相手に訴訟を起こすことは、あたかもネズミが象を相手に戦うようなもので、訴訟に必要な資金からして零細規模のデザイナーでは賄えきれないという事情があった。その弱点をインディテックスは逆手にとって頻繁に彼らからの模写を繰り替えして来た。
それに対して零細規模のデザイナーがグループ化してインディテックスを訴えるという活動も生まれていた。(参照:『
ZARAにデザインを「盗作」されたデザイナーたち、結束して被害を主張』)
インディテックスによる模写が明かにされたものだけでも39件あるという。