退職後の株投資で大損こいた元日経新聞記者が辿り着いた「ほどほどの利益を得る」投資術

まずはネット証券会社に口座を開設

「石橋たたきのネット株投資術」は、こんな発想から生まれました。それが後述する「ローリスク、ミディアムリターン」の提案につながりなります。  この提案を具体的に証明するためには、まず自分がネット株取引を実践することが必要です。そのためにはネット証券会社に自分の口座を開設しなければなりません。  2004年5月、私は松井証券にネットストック口座を開設しました。証券会社への預入金として約2000万円を用意しました。銀行に預金していた金利ゼロに近い3年定期を解約して1500万円をつくり、ITバブルによる損失で手元に残った500万円を合わせたものです。

株取引に必要なデータが揃っていることに驚く

松井フロントページの市況

松井証券フロントページの右側に表示される「市況」

 松井証券のホームページを開いて、IDとパスワードを入力し、「ログイン」を押すと、自分の取引画面が表示されます。フロントページの右側に「市況」が表示されます。  日経平均、日経225先物期近(きじか)、TOPIX、ジャスダック指数、マザーズ指数、NYダウ、NASDAQドル/円、ユーロ/円などその日の取引に必要な基本データです。それぞれの項目をクリックすると、時系列のグラフが出てきます。
松井日経平均

日経平均の時系列グラフ

松井ドル円

ドル/円の時系列グラフ

 自分が取引している個別銘柄の株価ボードを検索すると、その日の株価の変化がリアルタイムで表示されます。現在値、前日比騰落率、始値(はじめね)、高値と安値の時刻、出来高などが一目瞭然で分かります。さらに「情報」をクリックすると、企業情報、チャート、銘柄情報などが出てきます。
松井の株価ボード

株価ボード

「企業情報」項目のチャートをクリックすると、その銘柄の株価の変化が、短期のものから長期のものまでグラフ化されて出てきます。長期のグラフを見ると、過去5~6年の株価の推移が分かります。別のグラフを見ると、直近数年の株価の推移、足元の過去数日間、今日の変化もグラフで見られます。

ネット株取引は、ほんの少しの知識があれば始められる

トヨタb

トヨタ自動車株の注文内容を入力

 実際の注文に当たっては銘柄検索欄「銘柄コード」を入力します。銘柄コードとは証券取引所に上場する企業に対し付与された番号です。例えばトヨタの銘柄コードは7203、ホンダは7267、ソニーは6758です。メガバンクの三菱UFJは8306、三井住友は8316です。  次に取引開始です。トヨタの株式を現物(げんぶつ)で株価6000円のものを100株購入するケースを考えて見ましょう。パソコンにはトヨタ自動車の注文内容入力図が表示されます。最初に取引区分をご覧ください。取引は大きく分けて現物取引と信用取引があります。  取引区分から「現物買」を選択します。次に口座区分から「特定」を選びます。次に市場から「東証」を選択、さらに株数の空白部分に「100」(半角)を入力。次の値段のところに「6000」(半角)を入力します。執行条件では「なし」を選択、最後に有効期限から「当日」を選択し、「注文確認」を押して完了です。  売り注文も同じステップをたどります。6000円で購入したトヨタ株が6500円に上昇したとしましょう。ここで100株売却すれば、手数料などを除いて5万円の差益が得られます。今日中に利益を確定したいと仮定します。  この場合、最初に「株式取引」をクリックします。次に「現物売」をクリックします。次にトヨタ自動車の「売」をクリックします。するとトヨタ自動車の注文内容入力の図表が出てきます。  図表を見ながら「市場」から東証を選択します。その下にある「枚数」に「100」(半角)を入力。さらにその下にある「値段」に「6500」を入力。その下の「執行条件」から「なし」を選択します。「有効期限」から「当日」を選択します。  以上の注文内容をチェックし、問題がなければ、「注文確認」を押します。これで手続きはすべて完了です。この程度の知識があれば、明日からでも取引ができます。
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狙うは「ローリスク・ミディアムリターン」
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