パパ活アプリが「愛人市場」におけるコミュニケーション劣化を招いている<現役愛人が説く経済学43>

パパ活で傷ついた女子は男性不信になり、悪循環に陥る

 パパ活アプリの現状を見ておりますと、若い女性が不特定多数の男性と会ううちにメンタルを悪化させていく絵がありありと浮かぶのです。  パパ活で傷ついた女性は男性不信になり、相手との継続的なコミュニケーションに難が出てきますから、安定した「パパ」を見つけるのはますます難しくなります。貴重な若い時間を、おじさんに消費されて終わりではあまりにも虚しい。単発の「パパ」を繰り返していては、お金もたいして稼げないでしょう。  パパ活アプリの怖さは、その「流動性の高さ」なのです。男女ともに参入障壁が低いので、「社会経験の未熟な女性」と、「人を騙すことに長けた大人の男性」が簡単にマッチングしてしまう。 「アプリ経由なら、顔も隠せるし、匿名だし、誰にもバレずにパパ活ができる」という判断は、顔出し必須のデートクラブを経験した私からすれば、容易に理解できるものです。デートクラブで撮影された修正なしのプロフ画像が流出したら、それはもう大変ですから。  しかし、アプリはデートクラブよりも参入者が多いですから、マッチング数が増える分「この1人との出会いにかける!」と意気込む男女も減るのですよ。高級デートクラブでいう「運命タイプ」がほとんどおられません。  具体的に説明しますと、マッチングアプリでは、男性の支払う金額が「月額1万円」で高額なレベルなんですね。つまり、年間100~150万円かかるデートクラブよりもより多くの男性が利用できるのです。  すると中には「劣化型ドン・ファンタイプ」のような、複数の女性に肉体関係を求めてアフターケアをしない、できるだけ低価格で女性を堪能したい欲望をむき出しにした男性も、かなりの数で混じってきます。  こうした男性と出会ってしまう確率は、デートクラブよりも高くなります。デートクラブですら半数以上は「美女をとっかえひっかえタイプ」ですから、マッチングアプリの男性は想像に難くありません。95%が、とっかえひっかえして楽しみたい男性でしょう。彼らと「安定した関係」を築くのは至難の業です。  今後のパパ活界隈には、アプリに参入する男性の特質を理解した上で、流動性の高さをむしろ武器にして稼ぐ「割り切りタイプ」の女性が増えていくでしょう。すでに一部の女子は、「パパ活」のことを「ドカタ」と表現するようになっています。ドカタとは、愛のない性行為で対価を得る「肉体労働」を、自虐的に表現した言葉です。  お食事だけであったはずのパパ活が、いつのまにか、苦しい肉体労働に「成り下がってしまった」ともいえるでしょう。「ドカタ」がパパ活女子の間で広がっているということは、すでにパパ活と「個人売春」いわゆる「割り切り」が限りなく近づいている証拠です。マーケットの参入障壁が下がると、良くも悪くも多様な男女が入ってきますから、コミュニケーションが一部で劣化していくのは仕方ありません。傷つくリスクも上がります。  それでもあなたはマッチングアプリ市場に参入するかということを、今一度、男女ともに考えていただきたいと私は思います。 <文・東條才子>
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