クラウドファンディングで復活を期す地頭薗雅弥、カレン・ロバートと同じ代理人に騙されていた
サッカー人生を諦めず、クラウドファンディングで復活を目指す男、地頭薗雅弥)
「元々ジェフユース出身で、大学は青学に進みました。そして大学四年のときJリーグの練習には参加させてもらっていたのですがなかなか決まらず、そんなときに大学の先輩が入っていた代理人事務所から“タイでトライアウトを受けてみないか?”と誘われたわけです」
こうして地頭薗はほか二人の選手と共にタイへ初めて渡る。2011年のことである。その際、代理人からは「飛行機代はあとから出るから立て替えておいて」と言われたという。
タイに着いた地頭薗たち三人の選手はタイの強豪・ブリーラムの練習に参加する。場所はバンコク近郊だった。
そして三日目に、ブリーラムは練習場を引き払い、バンコクからバスで六時間くらいかかる本拠地へ戻ることになった。この三人のうちの一人がJ2から話があったということで帰国した。ブリーラムとしてはこの選手が目玉だったということで目算が外れたということだったのか、地頭薗たち二人に「お前らはいらない。だからバスに乗るな」と通告した。
「こうして僕らは三日間くらい練習場に放置されました。タイで使える携帯電話を持っているわけでもなく、代理人とも連絡が付かず、途方に暮れました。しかも、学校のテストとかをとばしてきているわけですから、このままだとプロ選手になれない上に大学も卒業できない……」
ここで衝撃の事実が明かされた。
「その代理人というのが、大丸さんが記事で書かれているカレン君や下地君を騙したのと同じ代理人なんです」(参照:「元磐田のカレン・ロバート、アジアリーグ契約時に代理人に騙された経緯を語る<1>、<2>」、「ギャラ未払いで係争中のタイリーグ所属・下地奨『稼ぐことの意味を考え直すようになった』」)
元々、筆者は地頭薗とバンコクで初対面する前に事前のやりとりである程度のことは把握していた。当初「先輩たちの騙され方に比べると僕の被害は小さいほうですし、無知だった自分も悪かったと思っているので。」と言っていた。
22歳の地頭薗が無知だった、というのは確かにその通りだろう。だが、今大学を卒業しようという時期でまだJリーグでチームが見つからず、タイその他の国に活路を見出そうとする若い選手たちも、おそらくは無知なのである。だからこそ、こうして無知だった男の失敗談を公にすることにより、一つでも今後の被害を防ぎたいというのが地頭薗と筆者に共通する願いなのである。
結局、すったもんだの末に地頭薗は帰国する。何よりも、大学卒業が最優先だったからだ。
<アジアで活躍する“もう一つのサッカー日本代表”たち>
「僕は、大学卒業後の三年間は、サッカーで一銭も稼げなかったのですよ」
バンコクの繁華街にあるタイスキチェーン「MK」で、前回語ったように、クラウドファンディングで資金を集め、復活を目指す地頭薗雅弥は自らのプロサッカー経歴を語り始めた。(前回参照:1
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