ルックスがよければ人気も出る……。男女に関わらず、エンターテイメントの世界ではそういった面があることは否めない。しかし、MCバトルでは
「むしろイケメンは負けやすい」のだとか。いったい、なぜ?
「女性客が以前より増えましたが、多い大会でも2~3割くらい。残り7割は男で、そのなかで真面目に判定に参加してくれるのは、俺みたいな
バトルオタクの非モテ男子なんですよ。だから男前のラッパーが『俺とお前はレベルが違う』とクールにラップしても、お客さんは湧きにくい。逆に男前じゃないヤツが『わかってねえな。男は顔じゃない。中身だ』ってラップしたら、大盛り上がりですよ(笑)。だから優勝しやすいのは、
女子ウケが悪い男臭いヤツか、
非モテにもウケる男前ですね。まっすぐなイケメンで女子な人気なタイプで大きな大会で優勝したラッパーは、
T-Pablowとか
HIYADAMぐらいだと思いますよ」
イケメンのラッパーには気の毒な話だが、たしかに「MCバトルではイケメンじゃなくても勝てる」というシナリオは、多くの男子に夢を与えてくれる……。しかし、そういったラップ内容と、実際にモテるかは、また別なのだとか。
「MCバトルで勝っているラッパーは、イケメンじゃなくても結構モテてます。本当に
外見は関係ないと思いますね。大事なのはその人の持ってるオーラとか、成し遂げてきたこと。ラッパーについては、ルックスがよくて売れてないヤツより、ルックスがいまひとつでも売れているヤツのほうがモテてる気はします」
少々、話は逸れてしまったが、まだまだ“男の世界”という色が濃いMCバトルの世界。今後、文化的にも興行的にもさらなる発展をとげるためには、女性の進出がカギとなることは間違いない。
<構成/古澤誠一郎>
【MC正社員】
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く