2030年、南北朝鮮W杯が現実的に。日中も含めた4か国共同開催もあり得るか!?

photo by jarmoluk via pixabay(CC0 Public Domain)

 日本代表のある意味「半端ない」活躍で、当初の予想より盛り上がりを見せているワールドカップ2018ロシア大会。  日本とともにアジアサッカーを牽引してきた韓国は、早々に予選リーグ敗退になったものの、前回優勝国のドイツを破り、今大会最大のジャイアントキリングを達成しその爪痕を残した。  韓国の予選リーグ第2戦。決勝トーナメント進出が掛かった大事なメキシコ戦。結果は1-2で惜しくも敗退したが、その試合に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とその夫人が現地会場にまで赴き応援をしていた。  そもそもは、ロシア・プーチン大統領の招待に応じる形で実現した文大統領のワールドカップ応援。激動する東アジア情勢のキーマンと言われる文大統領のプーチン大統領の会談も行われ、政治外交としても注目された文大統領のロシア訪問であるが、実は、文大統領には様々な思惑があったと言われている。

ワールドカップ南北共同開催が現実的に

 先日、韓国大統領府は、2030年サッカーワールドカップ南北共同開催に関して文在寅大統領とインファンティノ国際サッカー連盟(FIFA)会長が意見を交わしたと明らかにした。  文大統領は6月23日、韓国対メキシコ戦の前半戦終了後にインファンティノ会長と面会していた。実はその席で文大統領は、「会長に初めて会った時にワールドカップ南北共同開催を進言したが、それがどんどん現実的なものとなってきた」と南北共同開催の意思を改めて表明したのだ。  文大統領は2017年6月12日、青瓦台(韓国大統領府)でインファンティノ会長と面会した際、2002年の日韓ワールドカップ共同開催に言及し、2030年大会の南北共同開催の意思を伝えた経緯がある。  二度目となる文大統領との面談を経てインファンティノ会長は、「今から準備をしなければならない。文大統領が南北共同開催について話されたのは1年前。その時分には実感が湧かなかったのに、この間たくさんの事が起こった」と述べたのだ。  これは4月の南北首脳会談、その後の米朝首脳会談により朝鮮半島情勢が目まぐるしく好転していった事を示唆している。またFIFA会長は、「(大統領は)大きなことを成し遂げた。全ての人が、韓国国内だけでなく海外の人々も大統領を敬愛している」と述べ、「大統領の情熱と粘り強さが力を発揮した。近く韓国に行く」と韓国訪問も明言した。 「近く韓国に行く」  この言葉はサッカーファンのみならず、世界に大きな衝撃を与えた。大方の予想では、2022年大会がカタールで開催される事から、同じアジア地域で8年後に開催されることは考えにくいとされているが、東西冷戦最後の「戦場」とも言える朝鮮半島(とその周辺国)で、オリンピックに並ぶ平和の祭典としてのワールドカップが行われる事は実に意義深く、「開催=平和への貢献」とも言える。  国際サッカー連盟は13日、モスクワで開いた総会で2026年のワールドカップ開催地を決める投票を行い、アメリカ、カナダ、メキシコによる史上初の3カ国共同開催を決定した。  そしてこの大会からは参加チーム数が現在の32チームから48チームに拡大される。  単純に試合数も増え開催国の負担も増える事から、共催はベター、時代の流れとも言える。  第1回W杯からちょうど100周年になる2030年の記念すべき大会の開催地がどこになるのか、この韓国の動きに世界中から注目が集まっている。
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日中を加えて「東アジア」共催の可能性も
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