プレゼン時にホワイトボードやスクリーンを活用できる話し方とは?
こうした問題を解消しようとしたのでしょうか、左にスクリーン、右に聞き手を見る位置でプレゼンテーションをしている事例にも接しましたが、これは最悪です。聞き手から見ると、顔の右半分しか見えておらず、横を向いて話しているようなもので、アイコンタクトはできていません。
話し手はアイコンタクトをしなければならないと意識してか、時折横目で聞き手を見ているそぶりを見せるものの、それでは逆効果で、聞き手を横眼でにらんでいるようにしか思えない、そもそも、横を向いて話しているので、聞き手に伝えたいと思っているのかどうか、聞き手からは呆れられてしまったのです。このような中途半端なターンは決してやってはいけません。
ホワイトボードを使う場合には、そこにさらにホワイトボードに書くという動作が加わります。ホワイトボードに書いている時には、話さないということが鉄則です。ホワイトボードに向かって、聞き手に背を向けて話しても、聞き手に決して伝わりません。
中には、正面にあるホワイトボードに向かって半身になり、ホワイトボードに記入するというケースもあるでしょう。その場合でも、話してしまったら、聞き手に対して横向きで話すということになります。聞き手に対して横向きで話すということは、話が伝わらないどころか、聞き手に違和感を与えて、聞き手の関心度や集中度を低下させてしまいます。
ホワイトボードに向かって記入している間に、聞き手は関心度や集中度を低下させてしまうのではないかと心配する人もいるでしょう。そういう人に聞いてみましたら、「学生時代、先生が長々と板書している間に学生たちは騒々しくなった経験をしているので、聞き手に勝手なことをさせないためにしゃべり続けなければならない」と考えているという答えが返ってきたことがあります。
ホワイトボードに書く内容は、キーワードのみ、数秒で書き終えて、しっかりターンをして聞き手に体の軸の正面を向けて話すということが、大事なのです。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第88回】
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある
ホワイトボードに記入している時は話さない
(やまぐち・ひろし)
モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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