マスゲーム復活の話は、春先から頻繁に訪朝するカナダ人やシンガポール人がサイト等で「平壌でマスゲームの練習を見かけた」と紹介していたものの北朝鮮当局は重ねて復活を否定していた。そのため中国の旅行会社も復活には懐疑的であったが、5月末に大連に駐在する複数の北朝鮮人から建国70周年記念でマスゲームが開催されるという情報を耳にするようになった。期間は1週間から1か月間とバラバラだったが、どうやら開催することは間違いないと思ったそうだ。
「今年は朝鮮建国70周年なのでマスゲーム以外にもまだ未発表の大型イベントが複数企画されています。建設中の柳京ホテルも一部開業すると聞いています」(大連駐在の北朝鮮交易担当者)
15万人収容できるというメーデースタジアム(訪朝者撮影)
この交易担当者によれば、1987年に建設が始まった330メートルと東京タワー並の巨大建築物は、長らく幽霊ホテルなどと揶揄されてきたが、近年、外国企業の力で建設を再開させるも再び断念したと言われる。その柳京ホテルが、平壌の羊角島ホテルを運営する会社が経営を担当することになり、昨年春から建設を再開し9月9日に合わせて低層階部分だけを先行開業させるのだという。
北朝鮮情勢が大きく好転するも経済制裁は継続される中で、北朝鮮が最大の外貨獲得へ動き出したことになる。
<取材・文/中野 鷹(Twitter ID:
@you_nakano2017)
なかのよう●北朝鮮ライター・ジャーナリスト。中朝国境、貿易、北朝鮮旅行、北朝鮮の外国人向けイベントについての情報を発信。東南アジアにおける北朝鮮の動きもウォッチ。北レス訪問が趣味。 Twitter ID
@you_nakano2017