「紀州のドン・ファン」がハマった、愛人バンクの麻薬的な快楽とは<現役愛人が説く経済学40>

「美女をたくさん抱きたい」タイプが多い

 デートクラブに登録する男性の中には、「唯一の恋人がほしい」「1人だけ、自分を理解してくれる愛人がほしい」というタイプもおります。が、紀州のドン・ファン氏のように、「良い女をたくさん抱きたい」タイプも非常に多いのです。  むしろこのタイプが半数以上を占めるのではないでしょうか。なぜなら、登録した男性は女性を選び放題ですから、「いいな」と思う女性と付き合い始めても、「もっと良い子が見つかるかもしれない」「万が一、この子と別れた時のために、次の候補を探しておきたい」と、まるで婚活中の男女のごとく新たな出会いを求めるようになるからです。その様子は、婚活依存、さらにはギャンブル依存症の男女に通じるものがございます。「もっと勝てるかもしれない」「負けた時のために、念のため手駒を増やしておこう」と、出会いの数を増やしていくのです。  この手のドン・ファンタイプは、若い女性を何人、何十人と攻略することに喜びを見出しますから、口説きの確率が高い愛人バンクはうってつけです。もちろん、愛人バンクは売春の斡旋を(タテマエでは)しないので、性的な関係になるかどうかは当人の交渉次第。ですが、ドン・ファン氏のように「六本木の高級ホテルで30万円渡して、頭を下げてセックスする」やり方でしたら、多くの美人は断りません。「ガマンして一晩だけなら」と応じる人も含めてですが。  なにしろ、1回あたり1.5~3万円で抱かれるパパ活女子が当たり前の時代です。「一晩30万円」というのは、相場としてかなり高額だと思われます。愛人は継続的な関係が前提となりますが、ドン・ファン氏は次々に新しい出会いを求めておられたようですから、一晩だけの女性もたくさんいたでしょうね(そうでないと4000人は無理です)。  それでもいい、一夜限りでも良いのです。多くの女性を攻略することが、精神の拠り所になるドン・ファンタイプにとって、愛人バンクで美女をとっかえひっかえすることは麻薬的な快楽をもたらすのです。中には「自分でもどうしてこんなに、若い女性を求めるのか分からない」状態になる男性もおられますね。タイガー・ウッズを笑えません。  男性の虚栄心と征服欲、そして愛人バンク特有の「美女を選び放題」というシステムが、ドン・ファン型愛人男性を生むのです。そういう男性と交際している美女を、私は知っておりますが、どこかで男性を見下しているタイプが多いのもまた事実です。「女を選び放題」の環境で、空虚な自我を満たしていることが、美女の側にも伝わるからでしょう。 (文・東條才子)
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