警察官も呆れる“逆走自転車”。クルマや他の自転車にも大迷惑なトラブルの元

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逆走自転車によるトラブルが絶えない現状について、警察官がコメント

 こんにちは。交通ジャーナリストの吉田武です。  毎週、交通関連の記事を書いていくとなると警察関連も絡んでくるので、警察密着番組の取材で知り合った巡査部長へネタ欲しさに挨拶の連絡したところ(やはり警察は縦社会ですので世話になっている方に挨拶は最重要)、「自転車ナビマーク、自転車ナビラインに関して理解していない自転車乗りが多いのでそういうのをしっかり掲載希望!」と言われたので、お話を伺ってきました。  まず自転車ナビマーク、自転車ナビラインの説明から入りましょう。  警視庁のホームページにて詳しく紹介されているのですが(参照:「警視庁」)、このマークが路面に敷かれていると自転車乗りは”自転車優先”だと勘違いしてしまっているようなんですね。実はこの自転車ナビマーク、自転車ナビラインは道路交通法的にも法的効力は一切ないんですよ。  つまり法令によって定められている表示ではなく、あまりにも自転車乗りの無謀な運転が多かったために作られた”安全な自転車走行を促すためにペイントされているだけ”としっかり認識してください。  で、巡査部長が何を言いたいのか伺うと「自転車ナビマーク、自転車ナビラインを走る自転車同士でのトラブルや、路上に駐車しているクルマの持ち主とのトラブルが最近多くて困っている」と。  具体的に掘り下げて聞いていくと「自転車同士のトラブルの場合で多いのは、逆走してきた自転車に通行ルールを守っている側が正面衝突する寸前に文句を言い放って、違反している側の相手が逆ギレしてしまう事案なんだよね。逆走自転車側は悪気なく逆行しているようで、文句言われたからトラブルへと発展。どう考えても悪いのは逆走自転車側でしょ」とのこと。  確かに軽車両もクルマやバイクと同じなので逆行による逆走自転車の運転者には『3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金』が科される可能性があります(119条1項2号の2)。  そんな基本的なことを知らずに逆走自転車が横行していることから、道路交通法の通行区分違反になるってことを認識してない自転車乗りが多いってことは問題ですね。  例えば自転車同士で正面から少しでも衝突でもしたら、過失割合で圧倒的に逆走自転車側が不利になりますし、相手が自転車ではなくクルマやバイクだったとしても過失ペナルティが逆走自転車側は2~3割加算されますので圧倒的に不利と覚えておいてください。
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自転車VSドライバーの場合はさらに壮絶
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