集団暴力、無期限拘束……。あまりに酷い、入管収容所における外国人虐待の実態

支援者たち

支援者たちが、クマルさん自殺の真相究明などを求めて約1万7000筆の署名を東日本入国管理センターに提出

暴行、医療放置……被収容者への非道な虐待

 文字どおりの「暴行」を受けることもある。「入管で暴力を受けた」という中国人の男性は、記者にこう証言する。 「昨年5月、品川の東京入管で被収容者たちが抗議のハンガーストライキをしていた頃のことです。共用スペースから雑居房に戻ることを拒み、座り込みをした私たちに対し、大勢の入管職員が硬いブーツを履いた足で、何度も激しく蹴りつけてきたのです。あれ以来、片目の視力がほとんどなくなってしまいました……」  織田さんは「医療を受けさせないことも深刻」と話す。 「東京入管に収容されていたトルコ籍クルド人が、盲腸の手術の後に腹痛を訴えていました。ところが、その人は1か月もの間放置され、手術痕からは黒い膿が出ていました。耐えきれずに本人が救急車を呼んだら、東京入管は救急車を追い返したのです。最終的には病院に行けたのですが『あと一歩遅れたら命を落としていた』と医師に言われたそうです」
東京入管

東京・品川区の東京入管。建物の上層階が収容施設となっており、約700人の外国人を収容。ここでも被収容者の自殺が相次ぐ

 実際に手遅れとなってしまったケースもある。今年3月23日、山本太郎参議院議員は入管での死亡事件を内閣委員会で取り上げた。「’17年3月、収容されていたベトナム人がくも膜下出血で死亡した事案、当初から頭痛などを訴えていた。収容から2日後、口から血を吐き、泡を噴き、失禁。(中略)ほかの被収容者によると、『痛い、痛い』と叫ぶN氏に、見回りの職員はそのたびに『静かにしろ』と言うだけ。被収容者の方々は眠れなくなるほどずっとN氏の叫び声を聞いていたそうです。センターの担当職員は、N氏による激痛の訴えを“うそ病気”、すなわち詐病だと被収容者たちに説明していた」  Nさんは、体調異変から1週間も放置され死亡したのだという。山本議員はスリランカ人やロヒンギャ難民、カメルーン人が医療を受けられず入管収容施設で死亡した事例も取り上げ、「これもう人間じゃなくて鬼ですよ。はっきり言って」と批判した。全国の入管施設では、ここ10年で自殺・病死が12人。自殺未遂はさらに頻繁に起きている。 《ここ10年間での、入管施設での外国人死者》 年月 国籍 場所 死因 09.3 中国 東京 自殺 10.2 ブラジル 東日本 自殺 10.3 ガーナ 東京(※成田支局) 強制送還中の制圧による窒息死の疑い 10.4  韓国 東京 自殺 10.4 フィリピン 東京 病死 10.12 フィリピン 東京 病死 13.10 ミャンマー 東京 医療放置による病死 14.3 イラン 東日本 誤嚥性窒息死(医療放置) 14.3 カメルーン 東日本 医療放置による病死 14.11 スリランカ 東京 医療放置による病死 17.3 ベトナム 東日本 医療放置による病死 18.4 インド 東日本 自殺 東京=東京入国管理局(品川区)、東日本=東日本入国管理センター(牛久市) ※SYI(収容者友人有志一同)のまとめをもとに作成
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収容施設の公開が成されたが…
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