新潟県知事選で花角英世候補支援の自民党議員が、相次いで“利益供与”“脅し”発言!?

「野党系候補が知事になると、公共事業予算が減る」と根拠のない“脅し”

期日前投票調査

斉藤衆院議員の地盤である新潟3区内の建設業協会支部から、会員企業(建設会社)に送られた「期日前投票調査票」。期日前投票をした氏名をと地域と実行日を記入する欄があり、「内部資料」とも銘打ってある。送り先は、自民党県連となっている

 斉藤氏の発言が飛び出した建設業協会の総会では、市外で街宣中の夫に代わって花角氏の妻が挨拶。「悪口を言ったことない温厚な人柄です」とアピールした。続く懇親会では、自民党国会議員が次々と斉藤氏と似たような発言をしていった。  まず、塚田一郎県連会長(参院議員)は花角氏の目玉政策を紹介した。 「新潟県には、まだまだ国の大きな予算の関係で進めないといけない地域のインフラ整備、たいへん多くあります。そして花角候補からは、次の新幹線構想であります『羽越新幹線』を整備計画に引き上げるための推進についても公約に入れさせていただているところであります。こうした、これからの新潟を考えるうえで必要なインフラ整備を推し進めるためにも、何としても花角英世候補への皆様方からの大きなご理解とご支援を賜りたく、お願いをさせていただいたところであります」  野党系候補が当選すると、公共事業予算が減ってしまうおそれがあるとの“脅し”のような発言も飛び出した。元国交官僚の足立としゆき参院議員は、こう訴えたのだ。 「(県知事選は)建設分野の皆様の命運もかかっておりますので勝ち切っていただくようにお願いをしたい。なぜなら、反対側は野党連合になっておりますが、わかりやすく言えば、『民主党政権のようなことが起こる』と。思えば、『我々は暗い、辛い、大変な時代を迎い入れかねない』と、ぜひとも建設分野の皆様には思っていただきたいと思います」 「ぜひとも、建設分野の総力を結集して、何とかしっかり勝ち切っていただくようにお願いをしたいと思います」  新潟1区で落選して比例復活をした石崎とおる衆院議員も、佐藤氏と同様の支援依頼をした。「新潟駅高架事業」(900億円)について、「民主党政権時代に予算が削られてしまった象徴の事業。こうした冬の時代に戻さないように」と呼びかけた。  実際は、1年半前の県知事選で野党統一候補として当選した米山隆一前知事の時代、県の公共事業予算が削減されることはなかった。「野党推薦候補が知事になると、公共事業予算が減らされる」というのは自民党国会議員がよく口にする発言だったので、米山知事(当時)会見でも筆者は質問したが、知事は明確に否定したのだ。  元国交官僚の花角氏は、「国土強靭化」を旗印に公共事業を推進している大物議員・二階俊博幹事長が運輸大臣だった時の秘書官。かつての“親分”と同じような土建国家作りに突き進もうとしているのだろうか。 <取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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