中国で日本人宗教活動家21人拘束。緩いようで厳しい現代中国の宗教事情

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日本統治時代の1928年大連のイギリス領事館内に建てられた英国聖公会は現在プロテスタント教会に

 今月上旬に中国の複数の場所で日本人21人と韓国人9人が拘束さらたことが24日に明らかになった。いずれも宗教活動に従事していたと見られ、うち日本人5人はすでに帰国している。  中国当局は具体的な団体名を公表しておらずキリスト系団体だということだけ報じられている。実は昨年10月にも同じ団体とみられる日本人10人以上が広東省で拘束され強制送還されている。  いずれもスパイ容疑ではなくビザや外国人登録などを理由にした拘束のため、逮捕はされておらず、長期拘束もされずに一部は即強制送還されている。  そもそも彼らは、昨年も関係者が拘束されており拘束リスクが高いことが分かっていながら、なぜ再び宗教活動をしたのだろうか。そこには、中国の宗教事情が関連している。

信仰の自由はあるが管理が厳しい中国の宗教事情

 中国は憲法上は信仰の自由が認められているものの国家による管理宗教のため新しい宗教が中国での活動を認められる可能性は皆無に近い。  中国政府が公認している宗教は、カトリック、プロテスタント、イスラム教、仏教、道教の5つだ。キリスト教はカトリックとプロテスタントで2つとしてカウントされているが、イスラム教はスンニ派やシーア派もまとめてイスラム教と定義、仏教も同じく真言宗も禅宗など宗派問わず仏教という扱いだ。  宗教活動が認められるのは、教会や寺院、モスクなどの建物内や敷地内のみで敷地外でのありとあらゆる活動は禁止されており、講演や募金、福祉活動なども宗教活動としては行えない。  5つの宗教以外だと、55の少数民族が独自に信仰する民族宗教があり、多くが自然や先祖崇拝、既存の宗教などが融合したものが多いとされる。有名なところではモンゴル族のチンギス・ハーン崇拝もその1つだ。これら少数民宗教は、中華人民共和国が建国されたときからの少数民族優遇政策で保護されており、事実上容認されている。
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日本と比べると圧倒的に数は少ないものの内モンゴルや中国東北三省に多いラマ教(チベット仏教)寺院

経済発展の中、信仰に救いを求める人も増加

 中国人に聞くと、経済が発展する中で中国も仕事や人間関係、将来への不安などでストレスを抱える人が増えており宗教を信仰する人が増えているとか。都会では、仏教やプロテスタントなど5つの公認宗教が多く、地方だと民族宗教や自然崇拝のような信者が多い。  現代中国は、日本人が思っている以上に信仰は自由で、友だち同士で何を信仰しているなどは日常会話で出るし、宗教が原因で就職差別を受けたりすることも少ない。少数民族の1つ朝鮮族はプロテスタントが多く、定例拝礼には韓国人牧師が韓国語でミサしている教会もあるくらいだ。  ただ、1949年に中華人民共和国が建国以来、共産党政府は一貫して宗教は国家統治のマイナス要因との認識を変えていない。かつて毛沢東が「宗教は毒」と発言したこともよく知られているし、チベットの状況を見ればそれはよく分かる。あくまで宗教は国家、共産党を超えるものではなく、政府の監視下に置くというのが中国政府の宗教政策となる。
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中国のカトリックはバチカン非公認
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