「公営ギャンブルで収支を通年プラスにできる人」は何をやっているのか?

1周ラップ

前日成績で残り1周で先頭だった選手のラップを計測し、翌日以降のレースで実力評価に使う。これだけで勝負レースが見えてくる

 特に「時計を測る」というのが重要で、競輪ファンは今でもあまりラップ(レースのペース)を気にしない。競輪では半周の時計がレース結果に記載されているが、レースは半周だけで決着していない。ペースアップする残り1周半前後からレースは加速しているのだ。  そこで、かの大川慶次郎先生が競馬に初めて「展開」という概念を導入したときの革新……とまでは言わないが、競馬では当たり前の「ラップ」の概念を競輪に取り入れてみた。といっても筆者のやっていることはカンタンで、残り1周時点で先頭で逃げている選手がラスト1周を何秒で走ったかを全レース計測するのである。  ここから、優秀な1周ラップだったのに負けた選手……つまり相手がより強かったため負けた選手を翌日、相手関係を見て勝負を判断し狙うというスタイルをとるようになった。これが筆者がギャンブラーとして戦ってきた基本の勝負パターンだ。

何か他人より強みを取る

 知り合いの若手ギャンブラーたちは、全国のレースをつぶさに見て、調子が上がってる選手を見つけて狙うのを基本にしています。これも昔なら予想屋の情報ネットワークが頼りだったものが、ネットの時代になってリプレイ映像が全国分を手軽に見られるようになったからこそ可能な方法である。  これがJRAならレース数も少なく、ファンも多いためこの程度の努力で勝つのはカンタンではないだろう。しかし、ファンが少なく、高齢化が進む競輪ファンの世界でならこれだけで有用だったのだ。  もちろん、これは単なる筆者の一例であり、通年で収支プラスになる人戦略は他にもあるだろう。  ただ、ギャンブルに限らず、成功するためには相応の努力が必要なのは間違いない。その努力も、誰にも開拓されていない世界で自分がオンリーワンになれば、さほどの労力を割かずとも勝つことはできる。(中央競馬を除く)公営競技の世界では、まだまだそんな舞台が残っているというのが筆者の考えである。 【シグナルRight(佐藤永記)】 半勤半賭のセミギャンブラー。Twitterやニコ生『公営競技大学』にて公営競技について解説をしている。@signalright 公営競技大学
公営競技ライター・生主。シグナルRightの名前で公営競技の解説配信活動「公営競技大学」を個人運営している。また、日刊SPA!のギャンブルコーナー勝SPA!編集担当も。Twitter:@signalright
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