韓国・有名ブロガーによる世論操作事件で与野党が乱闘状態に

a84473af2cc61e71b9683fbae9c4e640_s 韓国のSNSで「いいね」や「コメント」を偽造し、世論操作をした疑いで逮捕・起訴されている、有名ブロガー「ドルイドキング」。  文在寅大統領の側近との接触も明らかになり、「2017年の大統領選への影響」への疑惑は増すばかりだ。  米朝会談を1か月後に控え激動する朝鮮半島情勢や南北の急速な融和の裏で、勢いを増す野党による「文在寅おろし」。日本同様、与野党決死の攻防戦が繰り広げられているが、事態は思いもよらない「場外乱闘」にまで発展している。  そもそも、野党による「攻撃」の発端となったのは「正しい未来の党」所属の安哲秀(アン・チョルス)議員による緊急記者会見だ。  安議員は4月20日に行った記者会見で、「ドルイドキング」による世論操作と、文在寅大統領の関与を指摘しており、現在も文大統領からの説明を求めている。 「ドルイドキング」による誹謗中傷での被害を訴える安議員はこのように語っている。 「被害者ヅラしているのではありません。また、当時の大統領選挙の結果が、世論操作によって変わったとも思っていません。しかし、事実は明らかにしなければいけない。なぜならば、その行為自体が犯罪行為だからです」 「正しい未来の党」も安議員を擁護するように文大統領を非難。検察に徹底した捜査を求める強硬的な態度をとっている。党代表を務める金東喆(キム・ドンチョル)氏も、10日、国会で特別議員総会を開き、「接触が確認された金慶洙(キム・ギョンス)議員は昨年の大統領選挙当時、大統領のスポークスマンだった。  大統領とは早朝から夜遅くまで、常に一緒にいる。文大統領と金議員はどんな話を交わしていたのか、金議員からドルイドキングについての報告をうけていたのか、文大統領本人が直接明らかにしなければならない」と話した。  しかし一方で、安議員のこういった訴えが敗北した大統領選挙の報復行為なのではと、不安視する声もある。(参照:ハンギョレ新聞)  事実、いの一番に「ドルイドキング事件」を指摘し、政府の不正を糾明しようとしているにもかかわらず、国民からの支持はそれほど得られていない。  6月13日に行われるソウル市長選にも立候補している安議員は、この糾明行為によって選挙への追い風を狙うが、しかし情報メディアである「eデイリー」が16日に発表した最新の市長選支持率結果において、安議員は3位。与党である「ともに民主党」立候補者でありながら、現市長の朴元淳(パク・ウォンスン)氏が60.8%でトップ。(参照:釜山日報)両者の差は歴然としている。  そして先月11年ぶりに行われた、北朝鮮と韓国による「南北首脳会談」。  世論は依然、この件に関して文大統領を高く評価しており、安議員をはじめ、野党の紛糾などでは揺らぎもしない。むしろ、文大統領を非難する姿が批判的にとらえられ、国民から総スカンされる事態となってしまった。
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野党議員への暴行事件も勃発。場外乱闘の様相に
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