ホストクラブでライブ……。歌舞伎町ならではの街中音楽フェスって何だ!?
近年、全国津々浦々ではさまざまなフェスティバルが行われている。王道の音楽フェスや、料理をテーマにしたフェス、街コン的な要素が強いものまで、もはや地域経済の活性化には欠かせない存在として定着している。そんなフェス百花繚乱の今、異彩を放っているのが先日開催された「CONNECT歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL2018」だ。
3回目の開催となった今回は全10会場、121組ものアーティストが出演した。石野卓球や大森靖子といったビッグネームから、地下アイドルまで幅広いラインナップが登場したが、注目したいのは会場だ。日本中のフェスを見渡しても、ロックの聖地・LOFTや新宿BLAZE、SHINJUKU MARZといった有名ライブハウスに加え、超老舗ホストクラブ・愛本店でライブが観られるのは歌舞伎町だけだろう。
日本最大の歓楽街だけあって飲食店も、創業64年のとんかつ店・すずや、フジロックフェスティバルに出店している鉄板ベイビー、音楽が楽しめるバーなど、11店舗が名を連ねた。
イベント当日はあいにくの雨となったが、来場者に声をかけてみると、活気に溢れたコメントが返ってきた。
「一番の目当ては愛本店! 普段、中に入る機会がないから楽しみにしていましたけど、期待を裏切りませんでしたね。シャンデリアでギラギラした店内で音楽を聴きながら飲んで、ホスト気分を味わえました(笑)。いい思い出になりましたね」(30歳・男性)
また、シネシティ広場で入場券代わりのリストバンドを購入すれば、すべての会場に入れるだけでなく、11の飲食店で割り引きやドリンクサービスを受けることができる。一箇所で完結してしまうのではなく、前を通ったことはあるけど……というライブハウスやバーを気軽に試すことができるのが、サーキット形式の利点だ。出店側もこうした流動性に期待を寄せていた。
「イベントそのもので利益を求めるというよりは、1人でも2人でも新しいお客さんが来てくれれば嬉しいという感じですね。これまで名前を聞いたことがなくても、会場マップを見て『こんなお店があるんだ』と知ってもらえるだけでありがたいです。長期的な効果に期待しています」(Bar FROM DUSK TILL DAWN・ROMI)
新宿で遊ぶことはあっても、なかなか歌舞伎町の中心部までは足を運ばないという層を取り入れるため、各店舗のサービスも充実していた。
「早い時間帯は赤字覚悟でドリンクを安くしました。普段はグラスで提供していますけど、今日は持ち出して簡単に移動できるようにプラカップにしています。どうせならいろいろな会場に足を運んでほしいので」(BAR -PSY-・YUKIO)
日本一の老舗ホストクラブが会場に
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なかなか歌舞伎町に足を踏み入れる機会がないという層を取り込むのも、目的のひとつだ
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日本で一番の老舗ホストクラブ、愛本店。男性客も興味津々だった
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当日はあいにくの雨となってしまったが、各会場や店舗を自由に行き来できるサーキット形式で、来場者の流動性を目指した
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