「男性が犯人の場合と扱いが違う」と大炎上。文大統領も異例のコメント
10日には、盗撮動画流出被害者と明かした女性が、「弘益大の盗撮事件の容疑者は20名もいて、国は今週中に全員調べると表明したが、私の時は、容疑者が1名だったにも関わらず調査をしてくれなかった」とFBページ投稿。
1万を超える「いいね」を押され、政府や警察当局に向けた、女性たちの怒りは増した。盗撮被害にあった別の女性は、警察署に駆け込み加害者男性についても詳細に訴えたが、「すぐに対応は難しい」と警察官に冷遇されたとのコメントも寄せられ、女性に対する性暴力被害への警察対応についての苦言が相次いだ。
勿論、今回の事件の被害者が男性であったから速やかに捜査が行われ迅速な容疑者逮捕に繋がったというのは穿った見方だという声もある。どちらかと言えば、事件が社会的な注目を浴びてしまったため、警察当局もきっちり対応したというのが本当の所であろう。
しかし韓国の女性団体は、「今回の事件そのものより、『盗撮の被害者が、男性である時と女性である時とで警察の対応が違う』という主張に、女性たちが爆発的に共感を示した背景に注目すべきだと主張している。
15日には、文在寅大統領自らが、自身のFBページで「時代が変わり、今やDVやデートDV、盗撮犯罪は重大な問題であります。過去にはない犯罪だと切り捨て、そのような観点がないばかりに、処罰の度合いが小さかったことは事実です」と行政側の女性に対する性差別問題の意識が低かった事を認め、今後は「このような事件に対する観点の変化を求めます」と意思表明をした。
ちなみに、最初に写真が掲載された「WOMAD」は、女性「woman」と遊牧民「nomad」の合成語であるとされていて、極端な女性優越主義と男性嫌悪を標榜するサイトではあるが、それは一方で、男性優越主義や女性を軽視する男性たちへのミラーリングであるという主張でもあり、それを社会運動の戦略にしているという点では注目もされてもいる。
「#Me too」運動が社会的な運動として盛り上がる韓国で、長い間性差別問題で弱者の立場に立たされ続けた女性たちによる「復讐」が始まっている。
<文・安達 夕
@yuu_adachi>