記者は、ダルビッシュ有投手が所属していた大リーグ「テキサス・レンジャーズ」の本拠地に近いテキサス州「ダラス・フォートワース国際空港」で、入国で3時間止められた苦い思い出がある。
渡米目的は、関連会社主催のセミナーへの参加で1泊2日の強行日程。先方へ渡す手のひらサイズのサンプル商品があったので指紋採取後に入国審査官から尋ねられた入国目的を「観光」と答えた。すると審査官は怪訝そうな表情を浮かべパスポート履歴をめくり始めた。
「何でわざわざ日本から来て1日で帰るんだ? おかしいだろう」
もっともではあるが、出張と答えて持っていたサンプル商品が没収されるとまずいと判断して観光目的と答えていたのだった。
その後、別室へ連行されてさらに尋問される。別室では電話をかけることも許されず、水も出ないがトイレへ行きたいと伝えると面倒臭そうな顔をしてドアのないトイレへ連れて行かれて、用を足すと流すボタンが見当たらない。審査官へ流すボタンがないと伝えると、ああっと言って、便器を軽く確認して鍵で壁の小さなドアを開けてボタンを押して流した。まるで囚人気分だ。
結果、セミナー参加や現地視察、展示会の観覧もビジネス入国になるということをコンコンと説かれた。長時間のフライトに加えて入国で4時間ほどの足止めで疲労困憊。やや腑に落ちないが同意して解放された。おかげで当時のことは詳細まで鮮明に覚えている。
話は大きく脱線したが、今回の中国の指紋採取全土導入でイミグレーションがより混雑するような本末転倒にはならないようにして欲しいとものだ。
<取材・文/我妻伊都 Twitter ID:
@ito_wagatsuma>