行方知れずのアルゼンチン海軍潜水艦、遺族への賠償があまりにも僅かな額で非難轟々

海軍大将が部下に責任転嫁しようとしたのが露呈

 サンフアン乗組員の家族は。ポンコツの潜水艦に夫や兄弟を乗船させていたという不満もあるが、今の願望はとにかく消えた潜水艦を見つけて欲しいという気持ちになっている。そして、そのために政府に圧力を掛け続けている。  しかし、海軍内部ではいまだに醜い責任逃れがあることが露呈している。整備がまだ不十分だったサンフアンを航海さたということで、今回の不祥事から解任させられたスルル大将が、ロペス・マツェオ少将ら部下に責任を転嫁しようという行為が明るみになったのだ。  そのため、海軍の内部でもサンフアンを発見して原因の究明をせねばならない必要に迫られるようになっている。  しかし、巷では爆破されたという憶測も耳にされるようになり、それが理由で政府は発見されるのを敬遠して探索する意向は薄いという噂もある。  国防省はついに900万ドル(9億7200万円)をそのために用意していることを発表し、探索会社を公募した。応募して来た中で12社は既にその振るいから落とされて、残り9社の中で1社がサンフアンを見つけるべく海底探索を請け負うことになっている。近く、その決定が下されるはずである。  9社の内訳はアルゼンチンから4社、米国3社、スペイン1社、パナマ1社となっている。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
1
2