京都朝鮮学校襲撃事件とは、2009年12月に、当時の「在日特権を許さない市民の会」(在特会)・「主権回復を目指す会」(主権会)・「チーム関西」らに属するレイシストが、京都朝鮮第一初級学校による学校前の公園不正占用に抗議をするとして、同校前で小学生らが校内にいるにも関わらずヘイトスピーチを撒き散らし、威力業務妨害罪に問われた事件だ。
また、ロート製薬強要事件とは、ロート製薬が韓国の女優をCMに起用したところ、同じく在特会とチーム関西が、2012年3月に同社本社を訪れ、従業員を脅迫して竹島の領有権問題およびキム・テヒ起用の是非に関する同社の見解を回答するよう求めたことにより、強要罪に問われた事件だ。
さらに、徳島教祖業務妨害事件とは、2010年4月に、在特会とチーム関西が、徳島県教職員組合(徳島県教組)による四国朝鮮初中級学校への寄付に抗議するとして組合事務所内でヘイトスピーチを喚き立て、威力業務妨害罪などに問われた事件で、2016年に最高裁で敗訴が確定している。
これらの明らかなヘイトクライムに関与した人物が参加するデモに、先進国の首相夫人が応援コメントを寄せるというのは、いうなればドイツのメルケル首相の夫であるヨアヒム・ザウアー氏が、ネオナチ団体のデモに応援メッセージを送ることであり、先進国では到底考えられない、前代未聞の事態なのである。
一体、安倍夫妻はこの国をどこまでどん底へ突き落とせば気が済むのであろうか。安倍首相は、同日の桜を見る会で、相次ぐ不祥事について参加者に謝罪し、「うみを出し切り組織を立て直していく」と語ったが、出すべき膿がどこにあるのか、考えたほうが良いのは言うまでもない。
<文/HBO取材班>