ピラミッド頂点の男性が、最下層の女性を相手にするのは愚の骨頂
愛人マーケットでの評価基準は「社会的地位」と「年収」の掛け算ですから、県の要職にある彼は「社会的地位」において一般人男性を圧倒しています。
ピラミッドでは頂点に位置するでしょう。そんな彼に見合う相手は、同じくピラミッドの頂点にいる女性であるべきだったのです。
高階層の女性たちは、高級クラブのホステスや有名タレント、有名モデル、美人経営者など。彼女たちは、よほどのことがない限り相手の個人情報を漏らしません。
高級クラブでは、ホステスが「お名刺を頂戴しても良いですか?」と声をかけ、男性の会社名や部署名、本名を把握しますが、ホステスはその情報を悪用したりはしません。変なことをすれば信用が落ち、最も大事な売上を失うからです。
また、有名タレントは、男性にお金をもらって肉体関係を結んだとバレたら大変ですから、自ら関係を明かすことはありません。女性経営者などの著名人も同じです。
大物と出会う機会に恵まれた女性たちは、自らも「守るもの」が多いのですね。ごくたまに、愛人関係を週刊誌にタレこむホステスがいますが、それは関係が破綻したからです。上手くいっていれば、暴露される確率は極めて低い。
それに対して、愛人ピラミッド最下層の男性は「社会的地位×年収」のスペックが低めで、女性は「守るものがさして多くない一般人」が中心です。出会い系サイトでは偽名を使い、一夜限りの関係もしばしばですから、頂点の男女と比べますと交際の「匿名性」はぐんと高まる。サイトで知り合った女性に、高級クラブでの接客のごとく名刺を渡すなどもってのほかでしょう。
人気女優が名もないホストに入れ込んでベッド写真を撮られるのが愚かな行為であるように、県知事レベルの有名人が、出会い系サイトで知り合った一般人女性を口説くのは愚の骨頂です。
ピラミッド頂点の男性には匿名性などありませんから、「守るものがさして多くないタイプ」の女性と交際して個人情報を与えれば与えるほど、暴露されるリスクは高まります。どうせなら、「守るものが多い」銀座のホステスやタレントを相手にすればよかったのです。
自分を売り込む階層を間違えると、大変なことになるのです。米山知事は辞職の会見で、「中年男性がのぼせたということ」「(出会い系サイトを利用したのは)ある種満たされなかったんだろうと思う」と述べました。
身も蓋もないですが、愛人ビジネスでは「満たされない」中高年男性に「のぼせて」いただくためのサービスを提供しております。
しかし、こちらはウィンウィンの関係が大前提。のぼせた中高年を週刊誌に売るようなマネはいたしません。プロですから、個人情報はしっかり守ります。
どうせのぼせるのであれば、こちら側にいらっしゃれば良かったのにと思う所以です。
<文・東條才子>