赤字続きの飲食店の「床磨きでV字回復」という話が、あながちトンデモとは言えない心理的理由

「床面積の広さが、収入に比例する」は迷信ではない

 ぼくは片づけという切り口から、その人が住む部屋や、その空間を元に人の深層心理を見つめていく仕事をしています。その中で、営業マンや経営者の方には、「床だけは必ず意識しましょう。」ということをお伝えしています。  ドイツの心理学者が膨大な臨床データを元に、「人の経済状態が、家の床面積に比例する」と言及をしました。これは大きい家、広い家に住めば良いということではなく、住んでいる家において、床が見えている割合が多いかどうかということです。  ぼくは片づかない方のご自宅へと訪問することもありますが、床に物が散乱している人や、足の踏み場もない状態になっている人は、例外なくお金に困っている状態か、仕事がうまくいっていないという悩みを抱える人たちばかりでした。  逆に、お金持ちや卓越した結果を出す営業マンほど、家の床の面積は広く、空間にゆとりを持つ意識をされている方ばかり。それらのケースを実際に感じながら、ぼく自身も、事務所の床には物をほとんど置かずに、毎日玄関からフロアまで、床磨きをして1日をスタートすることを習慣にしています。 「人の経済状態が、家の床面積に比例する。」  このことは、ぼくの仕事を通しての臨床経験からも、あながち的外れなことではないと感じています。だからこそ、ビジネスマンや商売をされている方には、必ず床を意識して、できれば毎日磨くようにお伝えしているのです。  すると不思議なもので、個人サロンを経営されている方や、飲食店、中小企業の社長さんからも、「床磨きを真剣にやり始めてから、お客様や、人の流れが多くなりました」と、ご報告いただくケースがとても多いのです。中には床磨きを始めただけで、その月から売り上げが3倍になったという方もいました。  世界で最も売り上げが高いテーマパークは、我が国、日本の東京ディズニーランド。その東京ディズニーランドでは、カストーディアルというキャスト(スタッフ)が、なんと24時間体制でパーク内の清掃をしているそうです。  東京ディズニーランドの掃除のコンセプトは「世界一安全で清潔な場所」、そして、「赤ちゃんがハイハイできるレベル」で、床を美しく保つ事を基準としている。そうして人が立つ基盤となる床を常に美しく保つことが、興奮冷めやらぬアトラクションを体感した人々の、夢が覚めない魔法となっているのかもしれません。  余談ですが、先日仕事で愛知県の刈谷市に車で行くことがあったのですが、帰りがけに温泉に入りたくて、たまたま検索して見つけた、ハイウェイに隣接された温泉施設一帯が、テーマパーク来場者数日本第3位という、驚くべき発見がありました。  それが、「刈谷ハイウェイオアシス」です。愛知県と三重県をつなぐ高速道路「伊勢湾岸自動車道」の「刈谷パーキングエリア」から直結。一般道からも入れます。  ここには名物の「デラックストイレ」というものがあり、まるで高級ホテル、いや、それ以上の美しさのトイレがあります。  開放時間が6:00〜22:00までで、あいにくぼくが訪れた時間は22時を過ぎた時間だったので、中には入って実際にみることはできなかったのですが、写真を見る限りでは、このトイレもまた、床面積が広く、美しい場所ですね。(参照:じゃらんニュース)  こういった様々な事例からも、床を意識することが、いかに人間に良い影響を与えながら、発展的なサイクルを生み出していくのかが分かるのではないでしょうか。  以前、個人宅へとお伺いした際に、廊下にあった荷物を全て避けて、雑巾がけをしてピカピカにした時のこと。それだけで明らかに、その場所の空気感が変わっていくのですが、その光景を見ながら 「今まで歩くだけで不快だった廊下が、【栄光への道】に変わった感じがします!」  と、おっしゃる方がいました。  それ以来廊下を通るたびに、未来の栄光へ続くイメージができるようになり、毎日を気分よく過ごせるようになったとのこと。そして、不思議と仕事でも、通常なら考えられない、思いがけない良い案件のオファーを頂いたと喜ばれていました。  新年度が始まった今のタイミングから、あなたも床を意識してみると、そこから発展繁栄に向かう栄光の道が開かれていくかもしれません。 <文・伊藤勇司>  日本メンタルヘルス協会カウンセラー。引越業に従事していた頃、「部屋と心の相関性」に着目し、1000軒以上の現場をもとに独自の「空間心理」理論を確立。片づけの悩みを心理的な側面から解決する「空間心理カウンセラー」として2008年に独立。セミナー、講演、セッションを、これまで約10,000名に実施。クライアントは主婦から企業経営者、作家などまで幅広い。著書に、最新刊『座敷わらしに好かれる部屋、貧乏神が取りつく部屋』(WAVE出版)10万部を突破中の『部屋は自分の心を映す鏡でした。』(日本文芸社)。https://ameblo.jp/heya-kokoro/
日本メンタルヘルス協会カウンセラー。引越業に従事していた頃、「部屋と心の相関性」に着目し、1000軒以上の現場をもとに独自の「空間心理」理論を確立。片づけの悩みを心理的な側面から解決する「空間心理カウンセラー」として2008年に独立。セミナー、講演、セッションを、これまで約10,000名に実施。クライアントは主婦から企業経営者、作家などまで幅広い。著書に、『毒舌フェニックスが教える家族を救う片づけ』(KADOKAWA)ベストセラー『座敷わらしに好かれる部屋、貧乏神が取りつく部屋』(WAVE出版)。空間心理カウンセラー・伊藤勇司公式ブログ
最新刊『あなたの部屋が汚いのは、才能がありすぎるから』(主婦の友社)
1
2