IoTによる遠隔パチンコは、業界に新たな可能性をもたらすか

当面の課題は景品の提供

 パチンコ業界誌によれば、IoTエンターテインメントは「アミュライブ」を合法なサービスであるとしている。事業開始にあたり、所轄警察署を通じて担当省庁に対し「店舗に人が立ち入らないものは風俗営業法に該当しない」という、オンラインクレーンゲームを先例にして照会したところ、「アミュライブ」が風俗営業法に該当しないことを確認したという。  一方で、獲得したLP(サイト内コイン)を景品に変えることは出来ず、現時点では、あくまでサイト内の遊技に再使用するより他はない。元々は、前述のオンラインクレーンゲームを参考に景品の提供を想定していたようであるが、同社のHPからはその記載が削除されている。  しかしIoTエンターテインメントが打ち出した新しいアミューズメントサービスと技術は、市場規模が縮小の一途を辿るパチンコ業界に新たな可能性をもたらすかも知れない。  パチンコは、いわば究極のアナログ産業である。店舗を構え、遊技機を設置し、客が店に足を運び、玉やメダルで遊技する。店舗の大型化や設備の現代化、遊技機価格や人件費の高騰など、その多額のコストは遊技客の負担を増大させ、それこそが、急速に客足が遠のいた原因である。  仮に遠隔地における、ネットを通じた遊技が可能になるのであれば、それはもう革命だ。  勿論、風営法の縛りの中では、実存するパチンコ店との直接的なリンクが限りなく不可能に近い。しかし新たなパチンコ・パチスロビジネスとしては、大いなる可能性を秘めている。ネット店舗の運営は勿論、新規顧客開拓や顧客マーケティングへの活用も可能であるし、YouTube等の動画ビジネスとの相性も良い。  今後「アミュライブ」の当面の課題は、「景品提供」であろう。  サイト内コインを、何かしらの景品に変える事が出来れば、登録ユーザー数も大きく伸びる。オンラインクレーンゲームが景品提供を可能にしているロジックを用いる事にも慎重を期すべきであろうが、換金ではない景品の提供を是非にも期待したいところだ。 <文・HBO編集部>
1
2