<現役愛人が説く経済学31>「お金持ちに見初められ、体を差し出せば愛人になれる」は大間違い

「女性と、自然な流れでセックスができる」という可能性がほしい富裕層男性

 Aさんは、私が旅行の誘いを断ったところ、「君と旅行ができないのは嫌だ。食事してセックスして交通費を渡すだけのデートだと、風俗みたいだよ」とおっしゃいました。  性風俗サービスは、彼にいわせると「お金を払って行為するだけの場所」。そこへ行かずに愛人とデートしたいのは、自分が、お金を払って女性と交わる「だけ」の人間ではないと思っているからです。つまり彼にとって風俗店は、「お金を払わないとセックスできない自分」を突きつけられる場所なのではないでしょうか。  多くの富裕層男性は、どこかで男らしさを認めてほしいと思っておられます。男らしさとは、身も蓋もない表現をしますと「自分は特定の女性と、自然な流れでセックスができる」という可能性のことです。  性欲は年齢と共に衰えていきますから、実際にホテルへ行くかどうかはこの際、関係ないといっても過言ではありません。また、会うたびに身体の関係をもたなくてもかまいません。彼らは、女性と関係できるという自信がほしいだけなのです。それも、風俗産業に支払う現金ではなく、男としての魅力でごく自然に「性」へとアクセスできるような感覚です。  これを体感したいがために、多くの男性は愛人バンクや高級クラブを利用するのです。彼らは、セックスのたびに現金を払うことは渋りますが、男らしさの快楽さえ実感できれば、たとえ性行為がなくとも、特定の女性に何百万、時には何千万とお金を使います。これぞ愛人の真骨頂でしょう。  逆にいえば、女性が「身体さえ差し出せば愛人になれる」と思っているうちは、継続的な援助を受けるのは難しいと思われます。富裕層男性が求めているものは、若い肉体だけではないのですから。 <文・東條才子>
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