日経平均の2倍の値動きになる指数「日経平均レバレッジ・インデックス」と、連動するレバレッジETFの基準額の比較。レンジでは連動の差が大きくなる
昨今、レバレッジ型ETFが人気を集めている。これは日経平均などの日々の値動きに対して、“2倍変動するインデックス”に連動した商品。今やETF市場の売買代金の約7割がこのレバレッジ型商品で占められているというが、なぜここまで人気なのか? 日興アセットマネジメントETFセンター長の今井幸英氏が解説する。
「やはり一番大きな理由は、少額でも大きなリターンを得られることですね。また、通常の投資信託は1日1回しか投資・解約ができませんが、レバレッジ型を含むETFの取引価格はマーケットの動きに合わせて変動していて、日中も何度でも売買できるのも大きい。そのため、短期で利ざやを稼ぎたい投資家などに人気なのです」
現在、東証に上場しているレバレッジ型ETFは、日経平均をはじめハンセン中国企業株指数に連動する商品など12本(インバース型も含む)。最も取り引きされているのは、野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」だ。このレバレッジ型ETFに信用取引のレバレッジを組み合わせ、最大6倍で取り引きする猛者もいるそうだが、もちろん注意点も。
「読みと逆の値動きをした際の含み損が大きくなるのはもちろんですし、レバレッジ型はその構造上、長期保有に向いていません。単純に上昇・下落する相場では複利効果によりうま味が感じられますが、レンジ相場の場合、同じく複利効果によりパフォーマンスがマイナス方向にブレる可能性がある。中長期保有よりも細かく利益確定をする人に向いた商品だと言えますね」
とはいえボラ高なぶん得られる利益は大きい。FXが中心のトレーダーにとっても、魅力的な商品と言えそうだ。 <取材・文/HBO取材班>