フェイスブックに続き、LINEにも厳しい視線が。「連絡先へのアクセス許可」には要注意

SNSに向けられる厳しい追及

 専門家はこれについて、「連絡先への許可を問いながら、連絡先にとどまらず、音声通話やメール内容にアクセスできる権限まで持つというのは深刻な問題。通信の秘密に該当する情報は、活用の有無ではなく、第三者が管理していること自体が違法行為」と指摘している。  するとカカオトーク側は「ユーザーのトーク内容を密かに収集してきたという疑惑は事実ではありません」と反論。  さらには「アプリをインストールする際に行うアクセス許可は、どこまでもGoogle側が設定するものなので、自社とは無関係。Googleが当初、連絡先とトーク内容へのアクセス権限を結びつけたため、我々には必要もない権限が自動的に付与されただけのこと」、「運営上、当社は通話履歴やトーク内容には特別アクセスする必要がないため、当然ながら収集や保存もしておりません」と釈明した。  また、LINEも「これまでにトーク内容を収集したことはなく、今現在はOSのセキュリティ強化に合わせて、連絡先データだけを管理している」と明らかにした。(参照:ハンギョレ)  両者はトーク内容の収集や保存に関しては完全に否定しているが、実質、それらを管理していた体制については特にコメントしていない。  この釈明を受けて韓国の通信政策を主管する「放送通信委員会」は先月末、フェイスブックやインスタグラム、カカオトーク、LINEなど、国内外の主要なソーシャルネットワーキングサービス事業者の個人情報収集関連適正性に関する実態捜査に着手すると明らかにした。(参照:民衆の声)  捜査内容としては、まずユーザーの通話や文字記録へのアクセス・収集・保管・提供の有無。次いで個人情報最小収集の原則の遵守可否。さらにはユーザーの同意手続きの適切性やアプリへのアクセス権限の必要性などを中心に行う予定だ。  また、各OSやアプリのバージョンごとに、アクセス権限設定の実態を点検し、必要な場合は各社への聞き取りも行う方針だという。  先月26日には、アメリカの連邦取引委員会(FTC)や全米各地の司法当局もフェイスブックの個人情報流出をうけて、法令違反がないか非公開調査に乗り出すと表明している。  多くのアプリが提供され、無料で、簡単に、誰でもダウンロードできてしまう昨今。しかし、ダウンロードする安易さとは裏腹に、アプリの危険度を判断できる材料は少ない。  実質、Facebookでも流出被害を受けている日本のユーザーは、「連絡先へのアクセスを許可しますか」の問いに対して「許可する」というボタンの重みをいまいちど再認識すべきだ。  それは決して「了承」レベルではなく、自身の保有する全ての情報を今後提供していくという事実に他ならない。  公的な規制導入がされない限り、身近なSNSの落とし穴が存在することを自覚するべきである。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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