ラテンアメリカへの兵器輸出でもその力を伸ばしつつある中国

DoD photo by Mass Communication Specialist 1st Class Chad J. McNeeley/Released(Public Domain)

 中国の習主席はトランプが米大統領に就任したあと1週間後にラテンアメリカへの訪問を開始した。この3年間でこれが三度目のラテンアメリカ訪問であった。トランプのラテンアメリカへの関心の薄さを利用して中国はラテンアメリカとの更なる関係強化を図っている。  その背景にあるのは中国は世界人口のおよそ5分の1の人口を持ちながらも、利用できる土地は世界の10分の1しかないということから、中国は自国の人口を養い発展させる為に世界の自然資源と食糧の開発そして確保が必要となっているのである。  その為に中国が最初に照準を定めたのはアフリカであった。アフリカは米国の影響が比較的少なく、ヨーロッパからはフランスが幾分か強い勢力を持っているだけであった。このような環境もあって、中国はアフリカから比較的容易に自然資源の開発そしてその産品を中国に輸入することが可能であった。  その次に目を向けたのがラテンアメリカであった。それが2000年初頭から始まるのである。それを容易にしたのはベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、ボリビアなどで反米政権が誕生したことである。それが中国のラテンアメリカへの進出を容易にしたのである。

中国の南米投資戦略

 2001年頃から始まった中国の投資の65%は自然資源の開発が目的である。投資するにも相手先の財政事情の調査よりも相手国のリーダーとの信頼関係を基本にした。そして、それに付随して投資した中国企業は従業員に中国人を雇用すると言った条件を投資相手国に付けている。  また投資とは別に貿易取引においてもこの15年余りで取引量は22倍に拡大している。(参照:「El Pais」、「El Pais」)  これまで中国のラテンアメリカでの2001年から2016年までの主要累積投資先はブラジル548億4900万ドル(5兆8140億円)、ペルー123億7200万ドル(1兆3110億円)、アルゼンチン105億8700万ドル(1兆1220億円)、キューバ58億ドル(6150億円)、ジャマイカ49億2700万ドル(5220億円)、チリ33億600万ドル(3560億円)、メキシコ32億1200万ドル(3400億円)となっている。  この投資金額を達成するために出資した中国側の企業数は235社であるが、投資総額の46%は次の9社が担っている。それは、Sinopec(中国石油化工股份有限公司)、CNPC(中国石油天然気集団公司)、Sinochem(中国中化集団有限公司)、China Three Gorges(中国长江三峡集团公司)、MMG(五鉱資源有限公司)、State Gris Corporation of China(国家電網公司)、Wisco(武漢鋼鉄公司)、Cnooc(中国海洋石油集団有限公司)、BCEG(北京建工国际建设工程有限责任公司)である。(参照:「El Pais」)
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兵器輸出国として南米で勢力を伸ばす中国
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