CEOのロリ・マッカーニー氏
シェアリングエコノミーを推し進めていくと、必ず反発が生まれてくる。
Airbnbに反発する元来の宿泊業者・家主・旧体制を見れば一目瞭然であろう。ちなみに、Airbnbを経営している筆者は近隣住民に挨拶周りを行い、よく近所の人が迷った人を我が家の玄関まで連れてきてくれる。Bikiはこれまでどのような反発に直面してきたのか。
「今でこそ公道やいろいろな場所にBikiのステーションが出来上がっていますが、これは全て市かそこにある私有地のオーナーから正式に許可を得て置いているものです。私たちがそこに作りたいから作ったというものではありません。当然反発はありました。それこそ、ここのコーヒーショップの前に作ろうとした時も当初は嫌がられましたよ。駐車場の利益が奪われてしまいますからね。しかし今やここはBikiステーションの中でも有数の人気スポットとなり、近隣店舗の利益にも大きく貢献しています。ですから最近は皆さんが協力的になってきていますね」
そのときロリはすぐ隣のテーブルでPC作業をしていた知人らしき男性に声をかけた。
「この点について、あなたのほうから何か付け加えてもいいのよ」
知人の男性は言う。
「オレからぜひ聞きたかったんだけどさ、なんであんたらは元々あった駐車場を使って、空いていた、そしてもっと便利なはずの曲がり角の部分を使わなかったのかい?」
「それはね、市が許可してくれなかったからよ。そして元々市内バスのバス停として使われているから、そこを自転車用に抑えることができなかったということね」
「もう一つ聞きたかったんだけど、お宅は自転車利用者にヘルメットは義務付けていないのかい?」
「弊社のサイトでは格安でヘルメットを紹介しています。ただ、ハワイ州の法律上16歳以下については自転車に乗るときのヘルメット着用を義務付けていますが、それ以上の成人についてはあくまでの本人の意思に任されています。ですから強制はありません」
現在、Bikiはどこかの企業と提携しているのか。
「そうですね、現時点ではすでに配車サービスを行っているLyft社との提携は行っています。たとえば、どこかのデパートまでBikiで行ったとします。そこで大きなものを買って自転車に乗せられないとすれば車を手配したくなる場面も出てくるでしょう。そういった意味で配車サービスとバイクシェアは相性がいいのです。もちろん、今後はAirbnbなどとの提携の可能性も出てくると思います。実際、今でもAirbnbのリスティングがある場所の近くにはBikiステーションを置くようにしていますね」
次回はBikiと日本人の相性について、そしてホノルルマラソン当日のBikiについて触れていく。
【タカ大丸】
ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『
ジョコビッチの生まれ変わる食事』(三五館)は12万部を突破。最新の訳書に「
ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。
雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
公式サイト
ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『
ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「
ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『
貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。