タイのビューテイコミニュテー店舗
米国の政策金利引き上げで、アジア新興国の株価は下降圧力を受けている。だが一方で、割安な優良銘柄を買うチャンスが到来か!? 人口ボーナスのピークを控え、今後急成長が期待されるアジア新興国株の投資方法を探る。
米国の利上げが実施されるなかで、新興国株は売られていくとの見通しは強い。経済コンサルタントの岡村聡氏は米国利上げの影響についてこう語る。
「新興国株の多くはレバレッジで資金調達を行う海外投資家により購入されています。要は他人からお金を借りて自己資本を増やす手法なので、米国の利上げは死活問題です。そこで、利上げによるレバレッジの縮小で資産価格が大きく変動する新興国株が真っ先に売られ、株価は下がっていきます」
事実、今年に入ってからインドネシア株などは下落。しかし、そんななかだからこそ「割安感が増す」と話すのは、優良なアジア新興国株について詳しい個人投資家のwww9945氏(以下、9945氏)だ。
「米国・英国株と同等の割合で新興国株を保持しています。なかでもベトナム株は、米国株より厚く保有しています。ベトナムのGDP成長率は6%台とTPP参加国で最も低く、自由貿易主義の恩恵を直接受ける。さらに、人口ボーナスのピークが’20年頃に到来するのが大きな理由ですね」
9945氏は、’12年に5000万円に到達した総資産をさらに伸ばそうと配当金狙いにシフト。アジア新興国株の高利回りに着目して投資し、見事、億り人になったアジア新興国株の第一人者だ。
インドネシア・ショッピングモール内の遊園地。エースハードウェア・インドネシアが経営。生産人口の増加で活況だ
9945氏が述べる人口ボーナスとは、総人口における生産人口の割合で、これがピークに達すると日本におけるバブル時と同様の好景気に突入する。タイやベトナムが’20年、インドネシアが’30年、インドが’40年、フィリピンが’50年と、多くのアジア新興国が’50年までに人口ボーナスのピークを迎える。アジア新興国株が米国の利上げに負けない最大の理由がコレだ。
ベトナム・ホーチミン。大渋滞する交差点
「株価の値下がりがわかっているからこそのやり方はあります。PER(株価収益率)が高くない銘柄を選ぶことですね。その代わり配当利回りはあまりよくないので、あくまで長期的な視点を持つこと。金利上昇にめげない銘柄を持っていれば、世界経済に関係なく伸びます。私自身マーケット全体の流れを見ているわけではなく、個別の銘柄で選んでいるので」