アジア新興国株は「人口ボーナス」を意識すれば勝てる!
2018.04.09
米国の利上げのなかで、割安感が高まる時期については、3%がポイントだという。
「今、1.8%台で推移している米国の政策金利が3%を超えたあたりから新興国株の売りが顕著になっていくのではないでしょうか。そこで力強く成長するセクターや、現在割高な企業を、割安で買うことができるのです」
3月21日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25%の政策金利利上げを決定。年内の利上げ回数は3回と予想する。年末には現在1.8%付近の政策金利が3%台になると見通されている。
前出の岡村氏も、マクロ経済的な視点からアジア新興国株について以下のように分析する。
「あえて今、アジア新興国株を購入するなら、シンガポールやフィリピンといった経常黒字の国でしょう。また、短期的な購入なら原油生産量の多い国を狙うといいかもしれません。米国の利上げの背景にはインフレの加速があります。原油価格の上昇が起きれば、インドネシアなどの資源国の株価が上がると考えられるからです。また、『新興国でもビジネスを行うグローバル企業』に投資するのもアリかもしれません」
新興国投資の場合、国×セクターは重要。秘訣は国ごとに盛んなセクターを模索し、購入を検討すること。それによって勝敗は大きく分かれる。
「人口ボーナスを控えたベトナムは今、高度経済成長期にあり、食品、医療、サービス、通信などのセクターが活況を見せるのは明白です。私の場合、’12年にそれらのセクターをアイザワ証券のスクリーニング機能を使ってROA(総資産利益率)が15%以上の銘柄を選んで購入しました。株価の情報は、日経ヴェリタスで確認しています。そして、バブル期が到来すれば不動産、最後に銀行・証券の株価が上昇します。余裕があれば実際に現地に行って好調そうなセクターを見つけると自信が持てますね」
国が豊かになると女性の購買意欲が高まるため、化粧品も有望なセクターだという。
「タイの化粧品メーカー、ビューティーコミュニティは売り上げが3年ごとに倍々になり、投資額が2年半で4倍に膨らみました。ただ、米国の利上げで打撃を受けるのは電力などの公益セクター。成長のない業界もダメになるでしょう。この辺りの見極めは重要です」
9945氏に推奨銘柄を挙げてもらった。ベトナム、インドネシアあたりの期待値は高く、日本で花王がユニリーバのシェアを奪って成長した化粧品セクターの例や、アミューズメントなど、高度経済成長で市民が望むようなセクターに着目したい。
世界的な株価の冷え込みが予想されるなか、割安感を増すアジア新興国株。仕込み時を見逃さず注目し続けよう。
注目すべきはセクター。高度経済成長を読む
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