「MWC2018」で存在感を示していたZTEの展示ブース
世界知的所有権機関(WIPO)が今年3月末に発表したレポートは、日本社会に大きな衝撃を与えた。2017年の特許出願数で、中国(4万8882件)が日本(4万8208件)を上回り、米国(5万6624件)に次ぐ2位に浮上したというのだ。発表された特許出願数上位15カ国のうち、前年比2桁成長を記録したのは中国(13.4%)のみ。このペースでいけば、数年後には米国をも上回ると分析されている。
テクノロジー分野における中国の存在感は、世界各国で開催されているテック系大型イベントでも日々増し始めている。1月に米ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー2018」(以下、CES2018)には、世界各国から約4500の企業・団体が参加。そのうち3分1を占める約1500社超が中国勢となり、さらにそのうち500社近くが「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深センを拠点とする企業群だったとされている。CES2018に参加した中国企業は、家電や通信、ドローン、サービスロボット分野など多岐にわたったが、その出展企業数の圧倒的多さから、CESの頭文字をもじって「China Electronics Show(チャイナ・エレクロニクス・ショー)」とさえ一部で呼ばれはじめている。
2月末からスペイン・バルセロナで開催された通信端末&機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス2018」(以下、MWC2018)でも、中国企業の存在感が目立った。なかでも、ともにイベントのメイン級スポンサーを務め、会場の目立つ場所に巨大なブースを構えていたファーウェイやZTEのそれは別格だった。サムスンやLGなど、自国にも世界有数の通信系大手企業を抱える韓国メディアの多くは、「MWCでは、ファーウェイやZTEなど中国企業が会場の注目を集めた」とMWCを総評。5G時代の主役になるだろうと口を揃えた。
なお、ファーウェイ、ZTEは、前述の世界知的所有権機関のレポートで、企業別特許申請数ランキング1位(ファーウェイ、4024件)と2位(ZTE、2965件)を独占している。ちなみに3位は米インテル、4位は三菱電機だった。同レポートはMWC後に発表されたものだが、自国企業より「中国企業の存在感が大きい」と報じた韓国メディアの分析は、ある意味、的を射ていることになる。