<現役愛人が説く経済学29>富裕層男性ほど愛人とは「コト消費」を好む傾向

欲しがり過ぎる愛人が敬遠されるワケ

 多くの男性が現金を出し渋る理由は、他にもございます。  マーケティングには、「モノ消費」と「コト消費」という言葉がありますね。富裕層にあてはめますと、ブランド物や車、タワーマンションなどを購入するのは「モノ消費」、旅行やホステスクラブでの接待などは、サービスを享受する「コト消費」にあたります。  もちろん両者は明確に分けられないケースもあるのですが(オーダースーツなどはモノを買う行為ですが、きめ細やかな接客を快感とするコト消費の側面もあるでしょう)、多くの富裕層男性は「コト消費」に重きを置きがちです。  聡明な読者はお気づきかと思いますが、愛人を求める男性は特に、女性とリゾートへ出かけたり、高級ディナーに招待したりといった「コト消費」を楽しみたいと考えておられます。妻以外の女性と、食事やセックスなどの娯楽を堪能したい。  自分と付き合うことで、女性たちはハイクラスな体験ができるわけですから、それだけで満足してほしいと考えるのです。  ですから、若い女性から現金をせびられますと、「こんなに素晴らしいコト消費を提供しているのに、まださらにカネ(時給)を要求するのか?」と嫌がる男性もいるほどです。ブランド品をねだられるくらいならまだしも、経費にすらできない現金を与えるのは男性にとって心理的なハードルが高いのですね。ブランド品ですら、欲しがりすぎる愛人は敬遠される傾向にあります。  別の見方をすれば、富裕層男性は愛人に「疑似恋愛」というコト消費を求めているともいえます。  ですから、彼らからコト消費以外のモノ、特に現金を引き出すのは非常に難しい。愛人ビジネスで流動資産を築くのは、至難の業なのです。 <文・東條才子>
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