2010年に起きた反民主党キャンペーンでもマーサー
今回のケンブリッジアナリティカの一件は、SNSなどを利用した巧妙なキャンペーンだったが、マーサー一族が「直接的に」扇動を行ったとされた件もある。
それが、「グラウンド・ゼロ・モスク」キャンペーンだ。
2010年、ニューヨークで大きな議論を巻き起こした問題がある。それは、穏健派のイスラム教グループによる、マンハッタン島南部への「イスラム・コミュニティ・センター・パーク51」建設計画がきっかけだった。これに反対する勢力が、「グラウンド・ゼロにモスク!」といった煽り文句で大々的にキャンペーンを行ったのだ。キャンペーンでは、民主党の下院議員が「グラウンド・ゼロにモスク計画に賛同している」としてやり玉に上げられた。ときに待ち伏せしていた身元不明の人間から挑発され、それに抗議をする姿をカメラに収められ、その姿を「議員が暴行」などとしてオルトライト系メディアで拡散されたりもしたという。
この、狡猾かつ卑怯なキャンペーンに100万ドル出資したのがロバート・マーサーだったのだ。(参照:「
POLITICO」)
<文/HBO編集部>