韓国警察がレイプ被害女性を「虚偽罪」で逆に起訴! 「#Metoo」で是正されるか

日本も韓国も、被害を受けた側に落ち度があると考える風潮がある

 ほかにも、韓国を含め各国の「#MeToo運動」が指摘した重要な問題点がある。  各界で告発された事案は、いずれも大半が数年前のことで、なかには数十年前のこともある。では、なぜ被害者たちは事件発生当時、即座に被害を告白せず、今になって名乗り出るのだろうか。その答えこそが、この京郷新聞の記事ではないかと言える。  被害者たちが声をあげたとしても、「気にしすぎ」と鼻で笑われたり、「大人になれ」と我慢を強いられたりしてしまうのが現状なのだ。  また、性犯罪に対する警察の対応を指摘する声もある。  男性主体となっている韓国の警察は、性犯罪の責任を被害女性に押しつけようとする傾向がある。事実、過去には準強姦被害を受けた被害者に対して、検察が「誣告罪(韓国でいうところの、虚偽告訴罪)」で被害女性を起訴した事件も。それだけでなく、被害女性と連絡がうまくいかないという理由で、被害者の母親に連絡し、娘の性的暴行被害の事実を知らせたことすらある。  また、被害相談に来た女性に対して「なぜすぐに助けを呼ばなかったんだ」「酒に酔った女性が性的暴行をされたら、それは自分のせい」と、むしろ被害女性を非難し始める始末だ。  韓国では2010年~2012年の間、性犯罪の申告率はわずか2.2%にしか及ばず、被害者の大半が泣き寝入りをしていると言える。(参照:京郷(キョンヒャン)新聞)  だが、これは韓国に限った話ではない。日本でも韓国警察と同じように、犯罪責任は被害女性へなすりつけられている。それだけでなく、日本ではいまだに性的暴行の話題は避けるべきであるという風潮もあるのはごまかしようのない事実だ。  昨年、日本でも「#MeToo」に似た性暴力の告発がなされた。顔出しで、自身の被害を告白したのはジャーナリストの伊藤詩織さん。彼女は元TBSテレビ報道局ワシントン支局長の山口敬之氏からのレイプ被害を訴えた。しかし、当初日本のメディアはこの件に関して沈黙を貫き、総スルー。ネットでも「虚言」と散々たたかれたという。  東京地検は山口氏を不起訴処分とし、検察審査会も不起訴相当と議決したが、伊藤さんはそれを不服とし現在民事係争中だ。 「女性の人権」「女性の活躍」を提唱する裏で、性暴力犯罪は「タブー視」されつつある日本。これを機に後進的にはならず、被害者に寄り添った事件解決の姿勢が論じられることを願うばかりである。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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