価格かサービスのどちらかで、他の愛人候補を圧倒した可能性
たけしさんは大物ですから、周りにステキな女性はたくさんいたはずです。マーケティングにおける差別化は、価格かサービスのどちらかで他社を圧倒することですが、A子さんには他の愛人候補と何が違っていたのでしょうか。
週刊誌などが「伍代夏子似の美魔女」と報じております通り、彼女の魅力は第一に外見の良さです。ネットに流されてしまった報道写真を拝見すると、50歳にもかかわらずスタイル抜群。愛人という職業柄、本妻にはない性的な魅力を磨くため、美容・健康管理はしっかりなさっているようです。いくつになっても、たけしさんから「オネーチャン」と呼ばれる魅力があるのでしょう。
それよりも重要なのは、ビートたけしさんが『ビートたけしのオンナ論』で語っておられるように、「癒やし」と「頭の良さ」を持ち合わせていた点です。
本妻とは別居しているたけしさんは、「自宅に帰らないんじゃなくて、要は居心地のいいほうに帰っている」「それがたまたまオネーチャンの家ってだけ」と明かす一方、「『愛人』って言われても困るんだよ。だって、勃たないんだから」とも語っておられます。
ここが非常に重要なところでして、少なくとも数年以上にわたって寵愛される女性というのは、セックス以外でも相手を満たす能力があるのですね。
最初はセックス込みのパートナーであったとしても、そのうち相手に「情」と「絆」を感じさせ、かけがえのない人生のパートナーであると思わせる力。細かな注文をつけてくる大手取引先(たけしさん)のニーズに答えようと努力をし、ときには値引き交渉にも応じ、ときには少し生意気な提案もしてみせる。価格か、サービスで他者を圧倒する。
そうしてお付き合いを続けるうち、たけしさんのニーズをすべて実現できる唯一無二の取引先になっていたのではないでしょうか。零細企業の敏腕ネジ職人が、大手企業の注文に答え続けて技術開発を続けた結果、その大手企業にとってかけがえのない取引先になった、というようなお話にも通じるところがあるかもしれません。
不安定な「愛人」という地位にありながら、一社の大物にそこまで捧げられる覚悟と頭の良さをもちあわせていたからこそ、A子さんは今の地位を得たのです。「スーパー愛人」である彼女のこれからに、愛人市場の末端からエールをお送りしたいと思います。
<文・東條才子>