睡眠の質がグッと高まる!? GABAの新効果とは

仕事のストレスでなかなか寝つけず、ついつい寝酒をしてしまう……。そんな悩みを持っているサラリーマンは少なくないはず。実際、厚労省の「健康づくりのための睡眠指針 2014」によれば、日本は他国に比べて寝酒をしてしまう人が多いそうだ。  「疲れが取れにくいけど、飲めばとりあえずは寝れるから……」(37歳・男性・不動産)なんて声もあるが、アルコールを摂取してからの睡眠は眠りが浅く、実際には睡眠不足になっていることも少なくない。前出の厚労省の発表によれば、睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低下すると生活習慣病やうつ病のような心の病につながることが明らかになっている。仕事でミスを犯してしまう可能性については言うまでもないだろう。  そうはいっても、日々の業務に忙殺されるサラリーマンは「病院に行く暇もないし、仕事に影響が出そうで薬を飲むのはちょっと気が引ける」(39歳・男性・アパレル)のが現実。実はそこで手軽に睡眠の質を高める効果があるのが、近年さまざまな研究が行われている成分、GABA(γ-アミノ酢酸)だ。

寝つきがよくなったという例も

 これまでも、食べることで副交感神経が活性化され、ストレスが軽減されるといった実験結果は報告されていたが、新たにGABAストレス研究センターが発表したのが、睡眠の質の改善だ。日中に摂取したGABAが同日夜の睡眠にどう影響を与えるか実験した結果、昼間に一度ストレスをリセットすることで通常より早く、深い眠りが得られることが判明したという。  休憩時間にGABAの含まれた食品を摂取すると、夜はぐっすり……。これだけ手軽なら、忙しいサラリーマンでも試してみる価値はあるだろう。
IMG_2296

GABAストレス研究センターが開催したセミナーの様子

 同実験では昼間にGABAを摂取したことで「いつもより7.5分早く眠りにつけた」「いつもより深く、ぐっすり眠れた」「いつもより熟睡度が高まった」「いつもよりすっきり目覚められた」などの効果も確認されたそう。  また被験者の睡眠の深さを脳波で測定したところ、最も深い眠りの出現が25%も多く確認できたそう。脳波が最も遅く、いわゆる無意識の状態であるδ波(デルタ波)についても、違いが確認され、GABAが深い眠りを促すことがわかった。  体感アンケートでも、なんと5倍以上の人間が「いつもより睡眠の満足感が得られた」と回答。「目覚めのスッキリ感が得られた」という回答も約2倍あったそうだ。これまで判明していたストレスだけでなく、睡眠への効果も確認されたGABAは、新商品の開発などにも期待がもてそうだ。

GABA関連商品の市場規模が急成長

 社会的に健康への意識が高まっているなか、新たな効能が発見されたGABA。GABAストレス研究センターが国内販売メーカーへの調査を行ったところ、昨年7月時点でGABAの売り上げは過去最高の6億4700万円に達したという。直近3年間で244%と、市場は右肩上がりに成長中。「お菓子を買うときは、どんな効果があるかに目がいく」(30歳・女性・アパレル)という声もあるように、ストレス対策や睡眠改善といった部分が評価されているようだ。  機能性表示食品の消費者庁への届出受理件数も、制度が導入された’15年はわずか4件だったのに対して、‘17年には136件と急増している。’16年からの1年間で179%も増加していることから、いかに関心が高くなっているか伺えるだろう。ビフィズス菌やDHA・EPAなどを抜いて最大の伸び率を示しているのだ。  ここ数年でGABAを含んだ商品は増え続けている。これまで健康に関連した商品といえば特定保健用食品=トクホがメジャーだったが、’15年から始まった機能性表示商品の制度ではトクホでは言及できなかった「ストレス低減」や「疲労感の軽減」、そして新たに発見された「睡眠の質の改善」といった表現も可能になった。これが消費者の健康意識とマッチしたことも、急成長の要因のひとつだろう。  研究が進み、さらなる効果が確認されれば、今後もGABA市場は拡大していくはず。そんな業界の最新事情に思いを馳せながら、GABAを含む食品を口にしてみるのもいいかもしれない。 <取材・文/HBO編集部> 提供:GABAストレス研究センター
ハッシュタグ