個人投資家250人アンケートでわかった[儲けた人]の肖像

アベノミクスが始まってちょうど2年――。’14年はボラティリティの大きな難しい相場だったという声が多いなか、利益をあげた個人投資家はどんな人たちなのか? 全国250人にアンケートを実施し、年齢、運用額、利益額、投資スタイルなど平均像をはじき出した!

個人投資家250人へのアンケートでわかった事実とは?

世帯の純金融資産の推移

野村総研が世帯を5つの階層に分類。各階層の保有純金融資産規模と世帯数について、’11年から’13年の推移をまとめた

 アベノミクスで儲かったのはどんな人たちなのか? 先日、野村総合研究所が、「この2年間で純金融資産1億円以上の『富裕層』は81万世帯から101万世帯に24.3%も増えた」という興味深い結果を発表した。世帯を5つの階層に分け、純金融資産保有額と世帯数の推移を表したものがこちらの図だ。特筆すべきは、25.4%も増加した富裕層だという。その理由は、「’11年の時点では5000万~1億円未満だった準富裕層の多くが、この2年で資産を増やして富裕層の仲間入りをしたため」と野村総研では分析している。  また、超富裕層の純金融資産総額が65.9%も増えている点も目を見張るものがある。超富裕層・富裕層は、保有する金融資産に占める株式や投信の比率が高いためと考えられる。アベノミクスによる株価上昇の恩恵を最も強く受けたのは富裕層と超富裕層というのが、このデータから見えてくる。

平均は49歳で1300万円を運用!

 とはいえ、富裕層や超富裕層だけでなく、株価上昇の大きな流れに乗って資産を増やした個人投資家も多い。儲けた個人投資家は一体どんな人たちなのか? そこで、’14年に勝った全国の個人投資家250人にアンケートを実施。明らかになった「勝っている投資家像」は平均年齢49.3歳で、平均1361万8248円の資産を運用し、’14年の平均利益額は214万4071円というもの。「1300万円も運用してない」と思う人もいるかもしれないが、中央値で見ると年齢は49歳、運用額は500万円で利益額は60万円。こちらのほうが実感に近いだろう。今年、億超えを達成したデイトレーダーのむらやん氏は「利益率は12~15%ほど。今年は乱高下した難しい相場が続きましたが、日経平均の上昇を考えると十分なパフォーマンスですよね」と話す。意外なのは平均年齢49.3歳ではないだろうか。 ⇒【グラフ】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=16228
’14年の利益額の分布

アンケートを実施した250人の’14年の利益額の分布。最高7000万円で、平均利益額は214万4071円、中央値は50万円となった

「デイトレーダーがメディアで取り上げられて話題になることが多いですが、実際は若い人ほどお金に余裕がないことなどもあり、平均すると年齢が高くなるのも納得ですね」(むらやん氏)  そのほかのデータも紹介しよう。投資経験歴は平均12.9年で、一日の投資に充てている時間は(トレード時間も含め)平均1.7時間という結果に。なかには一日15時間も投資に充てている人もいて、この投資家は2800万円を運用し、今年3500万円の利益を得ている。さすが、大勝ちしている人は研究熱心だ。  ちなみに、今回の回答者のなかで最も多くの利益を叩き出したのは、投資歴8年の36歳・男性。現在、1億円強を運用し、今年は7000万円を稼ぎ出した。SNSゲーム関連やバイオ関連といった新興株・材料株をデイトレしたり、ストップ高銘柄を持ち越すのが投資スタイル。毎朝7時に起きて30分ほど夜間取引の終値や米国市場をチェック。軽く食事を取り、8時30分にはスタンバイし、15時まで売買。夕方1~2時間ほど反省会をして、夜1時間ほど翌日の準備をするのが日課だという。 ⇒【後編】「アベノミクスで儲けた人の投資スタイル、主流は「中長期」」に続く http://hbol.jp/16078 ― アベノミクスで[儲けた人]の肖像【1】 ―